マック「想定内の赤字!?」新メニューで反転へ
1-6月は閉店や安全対策費かさむ。「海外で提供するメニューを食べたいという需要に応える」(カサノバ社長)
日本マクドナルドホールディングス(HD)が12日発表した2015年1―6月期連結決算は、営業・経常・当期の各損益が前年同期と比べて赤字に転落した。4月に打ち出した事業再構築計画に沿い、フランチャイズオーナーへの財務施策などとして93億円を投じたほか、閉店などによる特別損失として67億円を計上した。売上高も消費期限切れ鶏肉使用の発覚や異物混入問題が響き、大幅に減少した。
同日会見したサラ・エル・カサノバ社長兼最高経営責任者は、15年1―6月期の業績について「予想通りに推移している」と述べた。既存店売上高は前年同期比27・5%減だが、ビジネス回復に向けた戦略の実行を加速することで、下期にはプラスに転じる見込みだ、としている。
7―12月期の取り組みとして、長野県産巨峰など地域産品や季節感を取り入れたメニューの導入、サイドメニューの充実、店舗投資の加速を掲げた。カサノバ社長は「日本の顧客は季節に敏感で『月見バーガー』などが人気。一方で海外で提供するメニューを食べたいとの需要にも応えるため、新メニューを計画している」とした。下平篤雄副社長兼最高執行責任者は「現場の士気は上がっている」と強調した。
日本マクドナルドは30日、食の安全と品質に関する自主行動計画を発表した。2014年末に立て続けに起きた異物混入で、対応の不手際から客側の不信を招き、売り上げが落ち込んだことを踏まえた。計画では「お客様サービス室」を下平篤雄副社長兼COOの直轄にし、調査の必要有無に関係なくすべての異物混入について、本社報告を徹底するとした。
日本マクドナルドは異物混入を受けて、外部有識者を含む「お客様対応プロセス・タスクフォース」を設置。今回の計画はタスクフォースが出した最終答申を踏まえた。
対応が店舗任せになっていたり、本社の重要性認識が遅れた反省から、客対応に関する社内情報を一元化し、包括的な情報管理のためのデータベース刷新に着手。客が感想や意見をスマートフォンで投稿できるシステムも4月21日に導入した。
ただ客側の不信感は根強いのも事実。タスクフォース外部委員の濱野智史氏も「重大性の認識について、世間一般と同社のトップとの間にズレがあったと考えざるを得ない」と指摘した。
日本マクドナルドホールディングス(HD)は16日、今後4年間で現在ある約3070店舗のうち約2000店舗を改装するリストラ策を発表した。2015年度は約500店舗を改装するほか、131店舗を閉鎖し、成長が見込める店舗に投資を集中する。従業員の15%にあたる約100人を対象に早期退職制度も導入する。同日発表した15年12月期連結業績予想で、当期損益が380億円の赤字になったため、リストラを実施し、16年度の黒字化を目指す。
同日、未定としていた2015年12月期連結業績予想を公表。売上高は前期比10・0%減の2000億円、営業損失は250億円、経常損失は310億円となった。いずれも前期より赤字幅が拡大する見通し。消費期限切れ鶏肉の使用や異物混入の発覚が影響して客足が鈍っているほか、店舗改装の費用がかさむ。
赤字幅拡大に伴い、店舗の閉鎖を含めたリストラ策「ビジネスリカバリープラン」を実施する。全国を東日本、中日本、西日本の3地区に分け、各地区本部を5月に発足。人事やマーケティングなどについて権限を地区本部長に委譲し、地域や店舗の実情に合った運営につなげる考え。
プラン実行に向け、220億円を借り入れるとともに借入枠を増額。フランチャイズオーナーに対する財務施策は継続する。会見したサラ・エル・カサノバ社長兼最高経営責任者は「厳しい業績の責任は感じている。食の安全のため、できることはすべてやる」と強調。6カ月間、役員報酬を減額する。カサノバ社長は20%、昨年から留任している代表取締役は15%、取締役は10%減額する。
同日会見したサラ・エル・カサノバ社長兼最高経営責任者は、15年1―6月期の業績について「予想通りに推移している」と述べた。既存店売上高は前年同期比27・5%減だが、ビジネス回復に向けた戦略の実行を加速することで、下期にはプラスに転じる見込みだ、としている。
7―12月期の取り組みとして、長野県産巨峰など地域産品や季節感を取り入れたメニューの導入、サイドメニューの充実、店舗投資の加速を掲げた。カサノバ社長は「日本の顧客は季節に敏感で『月見バーガー』などが人気。一方で海外で提供するメニューを食べたいとの需要にも応えるため、新メニューを計画している」とした。下平篤雄副社長兼最高執行責任者は「現場の士気は上がっている」と強調した。
安全・品質対策「世間との感覚のズレ」解消へ
日刊工業新聞2015年5月1日付
日本マクドナルドは30日、食の安全と品質に関する自主行動計画を発表した。2014年末に立て続けに起きた異物混入で、対応の不手際から客側の不信を招き、売り上げが落ち込んだことを踏まえた。計画では「お客様サービス室」を下平篤雄副社長兼COOの直轄にし、調査の必要有無に関係なくすべての異物混入について、本社報告を徹底するとした。
日本マクドナルドは異物混入を受けて、外部有識者を含む「お客様対応プロセス・タスクフォース」を設置。今回の計画はタスクフォースが出した最終答申を踏まえた。
対応が店舗任せになっていたり、本社の重要性認識が遅れた反省から、客対応に関する社内情報を一元化し、包括的な情報管理のためのデータベース刷新に着手。客が感想や意見をスマートフォンで投稿できるシステムも4月21日に導入した。
ただ客側の不信感は根強いのも事実。タスクフォース外部委員の濱野智史氏も「重大性の認識について、世間一般と同社のトップとの間にズレがあったと考えざるを得ない」と指摘した。
16年度の黒字化へ131店舗閉鎖など荒治療
日刊工業新聞2015年4月17日付
日本マクドナルドホールディングス(HD)は16日、今後4年間で現在ある約3070店舗のうち約2000店舗を改装するリストラ策を発表した。2015年度は約500店舗を改装するほか、131店舗を閉鎖し、成長が見込める店舗に投資を集中する。従業員の15%にあたる約100人を対象に早期退職制度も導入する。同日発表した15年12月期連結業績予想で、当期損益が380億円の赤字になったため、リストラを実施し、16年度の黒字化を目指す。
同日、未定としていた2015年12月期連結業績予想を公表。売上高は前期比10・0%減の2000億円、営業損失は250億円、経常損失は310億円となった。いずれも前期より赤字幅が拡大する見通し。消費期限切れ鶏肉の使用や異物混入の発覚が影響して客足が鈍っているほか、店舗改装の費用がかさむ。
赤字幅拡大に伴い、店舗の閉鎖を含めたリストラ策「ビジネスリカバリープラン」を実施する。全国を東日本、中日本、西日本の3地区に分け、各地区本部を5月に発足。人事やマーケティングなどについて権限を地区本部長に委譲し、地域や店舗の実情に合った運営につなげる考え。
プラン実行に向け、220億円を借り入れるとともに借入枠を増額。フランチャイズオーナーに対する財務施策は継続する。会見したサラ・エル・カサノバ社長兼最高経営責任者は「厳しい業績の責任は感じている。食の安全のため、できることはすべてやる」と強調。6カ月間、役員報酬を減額する。カサノバ社長は20%、昨年から留任している代表取締役は15%、取締役は10%減額する。
日刊工業新聞2015年08月13日 3面