三菱ケミカル、米国で3Dプリンター用樹脂生産

 三菱ケミカルは米国で3Dプリンター用樹脂フィラメント(糸)生産に乗り出す。2019年内に米オハイオ州の機能性樹脂工場などで製造設備を新設する。18年3月に買収した欧州大手でオランダの旧ダッチ・フィラメンツ(現MCPPネザーランズ)の保有技術を活用し、世界最大の3Dプリンター市場である米国に進出する。同分野は独BASFなど海外大手も積極投資しており、成長市場での覇権争いが激しくなっている。

 三菱ケミカルはオハイオ州ベルビューの機能性樹脂工場を中心に3Dプリンター用樹脂フィラメント製造設備を導入する。5月に操業し、顧客へのサンプル出荷に取りかかる。8月から製品の量産を計画する。

 18年にはオランダ・ヘルモント市の工場を増強し、樹脂フィラメントの生産能力を2割引き上げた。基本はOEM(相手先ブランド)供給する事業モデルで、米国でも同様の事業を展開する。

 糸状の樹脂を溶かして、インクジェットプリンターと同じ要領で造形する。設計データから直接造形する3Dプリンターは工程短縮や複雑形状品を実現できる。樹脂を使う3Dプリンターは現状、個人向けのDIY(ドゥ・イット・ユアセルフ)用途が主流。ただ今後は技術革新とともに産業用途も拡大する見通し。米国と欧州が世界の2大市場を形成している。

 三菱ケミカルは18年から高機能ポリマー部門がグループ内の3Dプリンター関連事業を統括する体制に改めた。

 記録メディア製品の三菱ケミカルメディア(東京都千代田区)などの子会社が技術開発や事業展開をそれぞれ進めてきたが、次世代モノづくりの有望市場の開拓には全体を統括する戦略が不可欠と判断した。

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日刊工業新聞2019年3月14日

  

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