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<矢島里佳の新聞clip8.13号>消費者と言われる、言うことにも違和感

自分の暮らしを丁寧に紡ぎ出せる『暮し手』でありたい
 1週間の日刊工業新聞の記事の中から3本、気になった記事をセレクト。新聞ならではのセレンディピティー(何かを発見する能力、偶然をきっかけにしたひらめき)の楽しさを伝えて頂きます。

 みなさん、こんにちは。矢島里佳です。
 ウェブニュースは1つずつ興味のあるニュースを読める閲覧性の高さは魅力的です。
けれども、偶然に出会う記事たちが、自分の興味や人生に強く影響をあたえる面白さは、紙新聞ならでは。デジタルの時代だからこそ、アナログの面白さにも気がつく。双方の魅力を和えながらニュースと向き合っていければと思います。

 今週、選んだのはこの2本です。
●“できる人”は仕事を楽しむ(日本能率協会調べ=8月7日付)
●消費マインド低下(内閣府の7月の消費動向調査=8月11日付)
http://newswitch.jp/p/1675
 「できる人は仕事を楽しむ」。私たちは、人生の多くの時間を仕事をして過ごしています。ですから、人生を充実させるには仕事が楽しいことは、とても大切なことだと思います。この記事によると、楽しんでいる人の6割が成果を出しているという結果が出ているそうです。私は、これは意外と少ないなぁと感じました。

 成果が出ずに続けられなくなれば、楽しめなくなってしまう。逆に成果が出せて続けられれば、より仕事を楽しみ、次の成果にもつながるでしょう。持続のためには、ただ瞬間的に楽しむだけではなく、楽しみながら成果につなげることが大切ですね。

 一方で、仕事を楽しめていないけれど、成果が出ている人がどれくらいかというのも気になりました。楽しめていないけれど、周りの評価は良いというのは、心のアンバランスを生み、大切な判断を見誤ってしまいそうですね。自分も、会社も、社会も嬉しい三方良しにつながるといいですね。

仕事を楽しんでいる人の割超が成果を出している


 日本能率協会グループが「仕事を楽しむこと」をテーマに、社会人1000人の意識調査を実施したところ、「仕事を楽しんでいる人」は全体の40・8%で、楽しんでいる人の6割超が成果を出していることがわかった。仕事を楽しめる人こそが企業の成長を支える”中核人材“であるとしている。

 仕事を楽しむためには「仕事の手ごたえが重要」とした。そのためには「心身の健康」(62・7%)、「仕事のやりがい」(62・3%)、「仕事と生活の両立」(56・1%)が前提だとしている。

 仕事を楽しめている人・チームは、チーム全体で高い成果を上げる可能性があり、楽しめる職場を作るにはメンバー個人に負荷がかかりすぎないようにモニタリングしながら、「誰にどんな仕事を任せるべきか」を見極めることが第一歩になるとしている。

 調査は6月22日―同29日まで、正規・非正規雇用(パート・アルバイトや医師・弁護士などの専門職、自由業を除く)を対象にインターネットで実施。1000人(男性556人、女性444人)から回答を得た。
矢島里佳
矢島里佳 Yajima Rika 和える 代表
 よく、消費者という言葉は一般的な用語として、何の違和感もなく使われていると思います。けれども、よくよく考えると、消費する者=消費者ですよね。どうしても、価値が循環せずに、そこで価値が消滅してしまうものというイメージがあります。  ですから、私は消費者と言われるのも、言うことにも違和感があります。本来消費のために、何かを作るわけではなく、豊かな 暮らしのために必要なものを、作り届けていたのではないでしょうか。私は消費者ではなく、自分の暮らしを丁寧に紡ぎ出せる『暮し手』でありたいなぁと思うのです。

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