三越伊勢丹と高島屋「サテライト型小型店」で激突

出店適格地が少なくなった大型百貨店の代理戦争

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高島屋ミリオン・ドアーズ
 大手百貨店がサテライト型の小型店の出店を拡大している。三越伊勢丹が雑貨や食品を扱う小型店や化粧品専門店、空港型店を積極出店すれば、高島屋も今年、化粧品特化型、デパ地下型に続く雑貨、化粧品、ギフトなどを扱う3番目のモデル店を10月に出店する。百貨店業界は訪日外国人特需にわいているが、国内では大型店出店の適格立地が少なくなっている。小型店を増やして成長戦略を描く格好だ。
 
 三越伊勢丹の小型店戦略は雑貨や食品の小型店「エムアイプラザ」、高級化粧品専門店「イセタンミラー」、東京羽田空港を中心に出店する「ハネダストア」、さらにメンズ中心の「セレクトストア」を12月に出店するなど専門店戦略を積極化。今後2018年度までに全体の売上高で600億円を目指している。
 
 600億円といえば、百貨店の大型店1店の売上高に匹敵する規模。通常は大型百貨店が採算化するのに数年、十数年とかかるのに対し、小型店は駅ビルやショッピングセンターなど出店余地が多く、早期に投資回収できるのが強みだ。
 
 高島屋も小型店の展開に乗り出している。デパ地下をスピンアウトさせたような小型店「タカシマヤフードメゾン」(現在3店)のほか、子会社が運営する高級化粧品専門店「ミリオン・ドアーズ」(同2店)、さらに10月29日には神奈川県海老名市のショッピングセンター(SC)、ららぽーと海老名に三つ目の新業態「タカシマヤスタイルメゾン」を出店する。
  
 スタイルメゾンの売り場面積は約700平方メートルで婦人雑貨、化粧品などの品ぞろえにカフェやイベントコーナーを併設。高島屋本体の百貨店ではつかみ切れていない若年層の顧客を開拓する。
  
 三越伊勢丹が大型百貨店を出店できない代わりに小型店を積極拡大する戦略だとすれば、高島屋はあくまでも既存百貨店の補完的な機能を小型店に託している。
 
 高島屋の小型店が出店してきた地域はこれまで近くに大型店がある立地が多く、「大型店に来店できない顧客に気軽に小型店に来店してもらい、大型店との相乗効果を狙っている」(同社)という。そのため、大型の商圏に適格な出店場所があれば小型店を出店するスタンスであり、出店目標や売上高目標は特段策定していない。
 
 明確に分かれた大手百貨店の小型店戦略だが、積極拡大で成長戦略を狙う三越伊勢丹型か、大型店との相乗効果を狙う高島屋型か、どちらが勝者となるか目が離せない。

日刊工業新聞2015年08月12日 建設・エネルギー・生活面

COMMENT

百貨店は国内で大型店を出店できるような立地が少なくなっています。このため、大型店に代わる成長戦略を描く必要があります。三越伊勢丹は多様な小型店で大型店に匹敵するような戦略なのに対し高島屋は大型店と小型店の相乗効果で、大型店の収益拡大を狙っています。宿命のライバル2社の戦略が分かれてきました。

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