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【今週のリケジョ】銑鉄の品質向上追求

JFEスチール・大野愛美さん
 JFEスチールの大野愛美さん(30)は、製鋼工場の設備の仕様などを計画する仕事に携わっている。製鋼工場は高炉から出た銑鉄(せんてつ)に含まれる炭素などを取り除き、品質を高める重要な工程。「休日は地元岡山に帰り、友達と会っておいしい食事を取る」などリフレッシュして仕事に臨んでいる。

現場の知見、判断に生かす


 地元の岡山大学環境理工学部に進学し、同大学院環境学研究科を修了しました。ガラスのリサイクルを研究していたので、就職先はガラスメーカーが念頭にありました。ただ、製鉄所でセラミックスが重要な役割を果たしていることを知り、大学院にセラミックスの研究室もあったことから興味がわき、JFEスチールの入社試験を受けました。

 2013年に入社して以来、西日本製鉄所倉敷地区製鋼工場に勤務しています。当初は悩むこともありました。会社として利益を上げるための施策が、生産現場ではオペレーターなどの負荷を大きくしていしまうことがあります。別の地区の女性社員に相談したところ、同じ経験をしたとのことで「利益と負荷を総合的に見て、やるべきか否かをきちんと判断して指示するのが私たちの仕事」とアドバイスをもらい、納得しました。

 現場のオペレーターとのコミュニケーションは大切です。前の部署では連続鋳造設備の耐火物管理、その前の部署では連続鋳造設備の設備管理に携わりました。分からないことがあれば、その都度現場のオペレーターの先輩社員に質問し、この時に得た知見は今の仕事に生きています。

 今の部署は約40人の社員が働き、女性総合職は3人。男性が多数ですが、みなさん協力的です。女性も安心して仕事に取り組める環境だと思います。

                       

(文・写真=岡山支局長・大櫛茂成)
日刊工業新聞2019年3月11日

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