機器の内部の配線が激変 光通信化の波

アイオーコア、光通信チップ製品化

 アイオーコア(東京都文京区、藤田友之社長、03・6265・3956)は、世界最小クラスの光トランシーバーチップを製品化し、月内にも量産する。従来製品比で面積を80%以上小型化し、コストを削減。これにより光回路を小型化でき、通信機器や電気機器の内部の電気配線から光通信への代替を促進する。すでに中国や米国の大手通信機器メーカーなどから引き合いがあり、将来は自動車への搭載を狙う。2021年に年間100万個以上の生産を見込む。

 アイオーコアは新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)と技術研究組合光電子融合基盤技術研究所(PETRA)から研究成果の知的財産権と技術の一部を承継して新設分割された初めての株式会社。「光I/Oコア」と呼ばれる光トランシーバーチップの開発や製品化を目指していた。

 同社が量産する光I/Oコアは、シリコン基板上に光素子を形成する「シリコンフォトニクス技術」で作製した5ミリメートル角サイズの光トランシーバーチップ。1チャンネル当たり毎秒25ギガビット(ギガは10億)の伝送速度を持つ。生産に伴う製造設備は内製化している。動作できる温度範囲はマイナス40度―プラス105度C。

 光通信はすでに建物間などをつなぐ2キロメートル以上の長距離利用が進んでおり、今後は電気機器間や機器の内部など50センチメートル以下の短距離利用が進む見通し。米グーグル、アマゾン、フェイスブック、アップルの「GAFA」を中心とするIT大手企業のデータセンターでは、使用される情報通信機器に低消費電力化と高速化が求められ、電力や通信の限界が課題となっている。

 シリコンを使った光工学の市場は仏調査会社「Yole」によると、25年に31億6900万ドル(約3500億円)に拡大する。ただ、同調査はスーパーコンピューターや第5世代通信(5G)、自動車などの市場は含んでいない。そのため、他の業種でも普及が進めば、さらに巨大な市場に変わる可能性を秘めている。

日刊工業新聞2019年3月6日

  

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