搭乗者1000万人到達!ピーチ、ジェットスター“LCC二強”の今後
中国への就航視野。成田の有効活用か仙台などの拠点化か
8月5日にジェットスター・ジャパンが、6日にピーチ・アビエーションが、それぞれ累計搭乗者数が1000万人を突破した。ジェットスターは2012年7月3日の就航から3年1カ月で、ピーチは2012年3月1日の初便から3年5カ月での到達だ。
8日からは、ピーチが国内LCCでは初の羽田発着便となる台北線を開設。羽田発の初便は、台風13号の影響により10時間以上の大幅遅延という手荒い洗礼を受けたが、国内LCCは大きな節目を迎える。
機材は両社ともエアバスA320型機(180席)。ジェットスターは運航機数が20機と、4社ある国内LCCでは最多となる。一方、ピーチは16機体制だ。路線数は、ジェットスターが国内19路線と国際2路線の21路線、ピーチが国内12路線と国際8路線の20路線。ピーチは28日に関西-宮崎線、9月4日には那覇-ソウル(仁川)線を新設するため、9月に入ると国内13路線、国際9路線の22路線で、ジェットスターを抜く。
ピーチとジェットスター、日本のLCC黎明期から飛び続ける2社は、1000万人後をどうするのか。
単一機種徹底のピーチ
「これからも単一機種で行く」。ピーチの井上慎一CEO(最高経営責任者)の考えは明快だ。20路線を超えてからも、A320のみで運航し、ジェットスター航空やエアアジアXなどのような、ワイドボディー機による中長距離LCCには手を出さない。
井上CEOの考えは徹底している。6月に開かれたパリ航空ショーでは、国内LCCでは初となる自社購入でA320を3機発注。2016年から受領する18号機から20号機で、ピーチが購入後、リース会社の芙蓉総合リースに一旦売却してリース契約を結ぶ「セール・アンド・リースバック」で運用していく。
この時、取材に訪れた誰もが、最新エンジンを搭載する発展型A320neoを発注するとみていた。しかし、フタを開けてみれば従来型で、燃費を向上させる翼端の「シャークレット」すら付けていない。20機までは同じ機体を維持する。
ピーチは9月にジェットスターと同じ21路線になるが、機材は4機少ない。機材稼働率を高めている理由の一つは、拠点とする関西空港が24時間運用であることだ。2014年7月19日には、那覇空港を関空に続く第2拠点(ハブ)として運用開始。夜間整備や駐機が那覇でもできるようになった。
今年3月29日からは、成田空港も増強。従来の関西線に加えて福岡線と札幌線を新設した。成田も路線を順次拡大することで拠点化を目指す。一方、2017年夏までに仙台空港の拠点化を計画しており、成田の進捗次第では仙台の第3拠点として先行する可能性がある。
今後の路線展開はどうか。ピーチは就航以来、A320の航続距離である片道4時間圏内を前提に、国内線と国際線を区別することなく路線を広げてきた。国際線は台北と高雄、香港、ソウル、釜山の5都市。台北と高雄の2都市に就航する台湾は、現地でも高い人気を誇り、羽田就航後は、さらに人気が高まりそうだ。香港線も好調で、ソウル線も現地発の需要が旺盛だという。
「14年が底だった」ジェットスター
一方、ジェットスター・ジャパンは、黒字化が今後の課題となる。片岡会長は、「昨年2014年6月期決算が一番ボトムだったと思う」と述べ、「業績は改善しているので、具体的にいつとは言えないが、出来るだけ早急に黒字化したい」として、黒字化の時期については、明言を避けた。
今後の路線展開は、従来通りエアバスA320型機が飛べる片道4時間以内の国際線が中心になるとの方針を示した。「北アジアや東南アジアで収益が見込め、需要が高いところを検討している」と述べるに留めた。
現在ジェットスター・ジャパンは、20機のA320を運航している。増機の可能性については、「整備体制やパイロット、スタッフの数を考えると、当面は20機でしっかりとした事業展開をしたい」と語り、黒字化までは20機体制を維持する考えを示した。「日本でのLCCのシェアは現在8%だが、15%や30%という試算も出ている」として、20機以上の体制構築も検討していく。
また、成田と関空に続く第3拠点については、現時点で具体的な計画はないとした。ジェットスター・ジャパンは成田に14機、関空に6機駐機しており、路線拡大や機材増加に合わせて拠点を増やす。
エアアジア・ジャパンが就航する中部空港(セントレア)には、ジェットスター・ジャパンも乗り入れている。片岡会長は「優良路線なので、考える余地はある」と述べた。
8日からは、ピーチが国内LCCでは初の羽田発着便となる台北線を開設。羽田発の初便は、台風13号の影響により10時間以上の大幅遅延という手荒い洗礼を受けたが、国内LCCは大きな節目を迎える。
機材は両社ともエアバスA320型機(180席)。ジェットスターは運航機数が20機と、4社ある国内LCCでは最多となる。一方、ピーチは16機体制だ。路線数は、ジェットスターが国内19路線と国際2路線の21路線、ピーチが国内12路線と国際8路線の20路線。ピーチは28日に関西-宮崎線、9月4日には那覇-ソウル(仁川)線を新設するため、9月に入ると国内13路線、国際9路線の22路線で、ジェットスターを抜く。
ピーチとジェットスター、日本のLCC黎明期から飛び続ける2社は、1000万人後をどうするのか。
単一機種徹底のピーチ
「これからも単一機種で行く」。ピーチの井上慎一CEO(最高経営責任者)の考えは明快だ。20路線を超えてからも、A320のみで運航し、ジェットスター航空やエアアジアXなどのような、ワイドボディー機による中長距離LCCには手を出さない。
井上CEOの考えは徹底している。6月に開かれたパリ航空ショーでは、国内LCCでは初となる自社購入でA320を3機発注。2016年から受領する18号機から20号機で、ピーチが購入後、リース会社の芙蓉総合リースに一旦売却してリース契約を結ぶ「セール・アンド・リースバック」で運用していく。
この時、取材に訪れた誰もが、最新エンジンを搭載する発展型A320neoを発注するとみていた。しかし、フタを開けてみれば従来型で、燃費を向上させる翼端の「シャークレット」すら付けていない。20機までは同じ機体を維持する。
ピーチは9月にジェットスターと同じ21路線になるが、機材は4機少ない。機材稼働率を高めている理由の一つは、拠点とする関西空港が24時間運用であることだ。2014年7月19日には、那覇空港を関空に続く第2拠点(ハブ)として運用開始。夜間整備や駐機が那覇でもできるようになった。
今年3月29日からは、成田空港も増強。従来の関西線に加えて福岡線と札幌線を新設した。成田も路線を順次拡大することで拠点化を目指す。一方、2017年夏までに仙台空港の拠点化を計画しており、成田の進捗次第では仙台の第3拠点として先行する可能性がある。
今後の路線展開はどうか。ピーチは就航以来、A320の航続距離である片道4時間圏内を前提に、国内線と国際線を区別することなく路線を広げてきた。国際線は台北と高雄、香港、ソウル、釜山の5都市。台北と高雄の2都市に就航する台湾は、現地でも高い人気を誇り、羽田就航後は、さらに人気が高まりそうだ。香港線も好調で、ソウル線も現地発の需要が旺盛だという。
「14年が底だった」ジェットスター
一方、ジェットスター・ジャパンは、黒字化が今後の課題となる。片岡会長は、「昨年2014年6月期決算が一番ボトムだったと思う」と述べ、「業績は改善しているので、具体的にいつとは言えないが、出来るだけ早急に黒字化したい」として、黒字化の時期については、明言を避けた。
今後の路線展開は、従来通りエアバスA320型機が飛べる片道4時間以内の国際線が中心になるとの方針を示した。「北アジアや東南アジアで収益が見込め、需要が高いところを検討している」と述べるに留めた。
現在ジェットスター・ジャパンは、20機のA320を運航している。増機の可能性については、「整備体制やパイロット、スタッフの数を考えると、当面は20機でしっかりとした事業展開をしたい」と語り、黒字化までは20機体制を維持する考えを示した。「日本でのLCCのシェアは現在8%だが、15%や30%という試算も出ている」として、20機以上の体制構築も検討していく。
また、成田と関空に続く第3拠点については、現時点で具体的な計画はないとした。ジェットスター・ジャパンは成田に14機、関空に6機駐機しており、路線拡大や機材増加に合わせて拠点を増やす。
エアアジア・ジャパンが就航する中部空港(セントレア)には、ジェットスター・ジャパンも乗り入れている。片岡会長は「優良路線なので、考える余地はある」と述べた。