「クルマ離れ対策」まず小学生から!変わり始めた学ぶ姿勢を刺激

「小学生は車を嫌いになっていない。アプローチするとよく反応してくれる」(三菱自動車)

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仮面ライダーは大人にとっても憧れ(メルセデス・ベンツ日本が都内で7月末に開いたイベント)
 クルマ離れや理科離れが叫ばれる中、最近注目されるのが、小学生などのより若い世代に向けた取り組みだ。
 
 日産自動車の志賀俊之副会長は、理事長を務める日産財団での講演で小学校教諭らに向けて、「子どもたちが『何がやりたいか、何を学びたいか』という目線を持つように教育してほしい」と話した。というのも、大学生では世界との差がかなり大きくなってしまっているからだ。

 小学生の学ぶ姿勢が変わりはじめたと実感する企業もある。三菱自動車は1993年から23年間、小学生から自動車についてさまざまな質問を受け付ける「小学生自動車相談室」を開設している。小学生に絞るのはめずらしい取り組みだ。同相談室や出張授業などを担当するお客様関連部の島田絵美さんは、「『働いている人の声を聞きたい』という子どもが増えてきた」と話す。各学校での方針もあって、さまざまな産業を学ぶ時に将来の職業をしっかり考えることが浸透してきた。
 
 子どもは知識が豊富

  知識が豊富な子どもも多い。電気自動車(EV)が発売された年は相談室への質問も多かったが、今やEVやエコカーを知っているのは当たり前。工場見学したことのある子どもは、工場内の「ひも状のものは何か」のような細かなところにまで興味を持つ。同部の木下小綾香さんは、「車離れと言われるが、小学生は車を嫌いになっていない。こちらからアプローチするとよく反応してくれる」。

 同相談室は例年夏から秋にかけて約3カ月間開設。最近ではウェブサイトに流れて少し減っており、相談件数は200―300件。ウェブには約45万6000件のアクセスがある。同部の塩原英之担当部長は、「今年は自由研究向けに例年より1カ月早く開設した。気軽に利用してほしい」と話す。

 輸入車メーカーも関係づくりに積極的

 輸入車メーカーも子どもとの関係づくりに熱心だ。メルセデス・ベンツ日本(東京都港区)はスポーツカー「メルセデスAMG GT」が仮面ライダー新作映画で未来から来たライダーマシン「ネクストライドロン」に起用された。これを機に子どもにもメルセデス・ベンツを訴求。15、16の両日にメルセデス・ベンツ豊洲で、29、30の両日にはヤナセ名古屋営業本部で握手会を開く。

 メルセデス・ベンツのイメージと子ども向け映画にはギャップがあるが、「それも含めてサプライズをお届けしたい」(同社広報)という。大人にもファンが多く、内容が子供じみていないと確認してゴーサインを出した。「車ってかっこいいと思う子どもを増やしたい」(同)。

 それぞれの方法で、子どもとの接点を増やすことが期待されている。
(文=梶原洵子)

日刊工業新聞2015年08月11日 自動車面

COMMENT

明豊
執行役員 DX担当
デジタルメディア局長

もう10年前から若者のクルマ離れは言われ続けているが、確かに大学生ぐらいになってしまうと手遅れ。小学生からアプローチするのはいいかも。でも彼ら、彼女らが成人する時は、クルマのインターフェースや楽しみ方が大きく変わっているかもしれない。小さい時からスマホを使い慣れた世代は、クルマのそのものを変えていく駆動役のような気がする。

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