ニュースイッチ

【今週のリケジョ】空間照明、高みを目指す

ミネベアミツミ 久木田香奈さん
 「これこそ現場が求めている照明器具と感じた」というミネベアミツミの久木田香奈さん(30)。同社が販売するスマート照明器具「SALIOT(サリオ)」を広めようと、国内の商業施設向けに新規開拓の営業をかける。「将来は照明設計の提案もできるようになりたい」と空間照明で高みを目指す。

感覚を共有、数字で説得


 九州大学芸術工学部環境設計学科を卒業し、アパレル会社、フリーランスを経て、2017年11月に入社しました。今はスマート照明器具「サリオ」の販売に携わっています。調光や色温度、配光角度に加え、照明方向の上下左右などをタブレット端末などを使って自在に操作できる点をアピールしています。

 建築関係が学べる学科を選びましたが、洋服が好きでアパレルショップの空間にも興味があり、卒業後は陳列方法などを考えて売り上げを伸ばす仕組みを考えるビジュアルマーチャンダイザー(VMD)としてアパレル会社に入社しました。その後、VMDとしてフリーランスで活動する中で、サリオを知り、「これは売れる」と思って入社しました。

 貝沼由久会長兼社長の「最適な光を最短で」という言葉が心に響いています。アパレル時代、脚立を立たせて照明の向きをよく変えていました。ショーウインドーは狭く、マネキンを一度立てると奥まで行くのは一苦労でした。会社の支援もあり、照明士の資格を取りました。照明は感覚と理系が絡まるところ。相手を説得するには具体的な数字も必要です。顧客から頼られることも増えてやりがいを感じます。営業で拾い上げた現場の声を開発部門に戻し、照明器具の開発に貢献したいです。

 インプットを止めたくありません。長期休暇があれば海外へ旅に出ます。写真や文献では感じきれない感覚を養いに行きます。将来はイタリアなどの照明の最先端の国もある欧州で照明の仕事をしてみたいです。

      

(文=山谷逸平、写真=森住貴弘)
日刊工業新聞2019年2月25日

編集部のおすすめ