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ヒートマップをどう使えばウェブ申し込みが4割増える?

UNCOVER TRUTH、ウェブサイト改善支援サービスを一部自動化
ヒートマップをどう使えばウェブ申し込みが4割増える?

ユーザーのマウスが迷いなく移動していることなどを分析できる(イメージ)

 UNCOVER TRUTH(東京都渋谷区、石川敬三社長、03・6859・2270)は、オンライン販売の拡大など、顧客の目的に応じたウェブサイト改善支援サービスの一部を2019年末までに自動化する。ログ解析を使った改善対象の選定や指標分析などを自動化する考えで、デザインなどの改善提案は従来通り人が行う。料金を引き下げるなど価格に柔軟性を持たせ、顧客拡大や海外展開を目指す。

 UNCOVER TRUTHは現在、ウェブ解析ツール「USERDIVE」を使い、ウェブ上でのユーザー行動の可視化や改善施策の提案、効果検証を一貫して提供している。まずサイト全体で「どこで何人が(サイトから)離れたか」などのログ解析やヒートマップ解析を行い、改善対象と方針を決定。さらに詳細に分析し、顧客サイトの目的(CV、コンバージョン)に応じて、目的を達成した人としなかった人の差分を抽出し、CVにたどり着きやすいデザインを提案する。

 ただ、専門社員が解析やコンサルタントなど全てを行うと料金を下げることが難しいため、顧客は大手企業に限られている。そこで、18年秋に第三者割当増資によって三井物産などから調達した約6億円を活用し、自動化に向けた開発を加速する。

 現在の料金はコンサル費も含め月50万―200万円。三井住友カードやバニラ・エア、横浜銀行など大手企業中心に400社以上に納入実績がある。例えば、中古車販売店「ガリバー」を展開するIDOMでは、トップページに「すぐ車を売りたい人」と「迷っている人」が選びやすい中古車無料査定の入り口を別に配置。早く売りたい人の入り口は赤の目立つデザインで、入るとすぐ情報入力スペースを設けた。迷っている人向けは、読み物のコンテンツを充実させた。その結果、オンライン無料査定の申し込みが4割増えた。

 同社の改善支援サービスの特徴は、ヒートマップなどの解析データを徹底的に活用すること。CVした人としなかった人との比較では、CVしなかった人はどこを見ていたか、どこでページを離れたかを詳細に分析する。このため、改善するには、一定規模の人数がウェブサイトを訪れている必要がある。CVの改善効果は平均20%で、中には3-4倍の改善効果が出たものもあるという。

 石川社長は、Eコマースサイトを運営する会社で働いていた経験がある。当時、ヒートマップなどがあっても、経験則でサイト改善が行われていたのを見て、データを活用したサイト改善支援サービスを始めた。

石川敬三社長
日刊工業新聞2019年2月14日掲載より加筆
梶原洵子
梶原洵子 Kajiwara Junko 編集局第二産業部 記者
同社の顧客には有名企業が並んでいます。料金はけして安くないですが、訪問者数が多く、ウェブでのビジネスの多い企業にとっては料金を差し引いても十分利益が得られるようです。

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