ボーイングの次世代機「777X」って?

国内企業の参画が続々、日本が機体の21%を分担へ

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「777X」のイメージ
 米ボーイングが5年後(2020年)の納入開始を目指して開発する次世代大型機「777X」(通称=トリプルセブン・エックス)に、日本企業の参画が続々と決まっている。昨年6月に三菱重工業や川崎重工業、富士重工業など機体メーカー5社の参加が決まったのを皮切りに、内装品のジャムコや炭素繊維の東レ、姿勢制御装置(アクチュエーター)のナブテスコなどがボーイングから受注。今後は一斉に設備投資に動く。11年に就航した中・大型機「787」向けに続いて、日本の航空機産業では今後、777X関連での設備投資が活発化しそうだ。

◆「777X」って何?
777Xは、1995年に就航開始した大型機「777」の後継機に位置付けられている。ボーイングは、競合機と比べて燃料消費量で12%減、運航コストで10%減のメリットがあると説明している。シリーズとしては座席数350席の「777―8X」、同400席超の「777―9X」の2機種。ボーイングはすでに中東や欧州の航空会社、日本の全日本空輸など6社から300機を受注しており、2017年の製造開始、20年の初号機納入を予定する。

 ◆「787」と「777X」の違いは?
 近年、バッテリーのトラブルなどもあり、何かと話題を振りまいた「787」。主翼や胴体など、重量ベースで機体の約半分は「カーボン」(炭素繊維複合材料)でできている。ゴルフクラブのシャフトなどと似た材料だ。
 これに対し、現行の大型機「777」は金属(主にアルミニウム合金)が主体だった。しかし、次世代機の「777X」では、787と同様、主翼にカーボンを用いる計画だ。ボーイングは現在、機体の詳細設計を進めており、今年中にデザインを固める予定。

◆日本の機体メーカー5社で機体の21%を製造
三菱重工業、川崎重工業、富士重工業、新明和工業、日本飛行機(横浜市金沢区)の5社と日本航空機開発協会は14年6月、777Xの開発・量産プロジェクトに参画すると発表した。日系企業の製造割合は現行機の「777」型機と同じ21%。ただ、777Xは777より機体が大型化しているため、製造の規模は拡大する。
 各社の777Xの製造分担については、777の分担を踏襲。三菱重工は後部・尾部胴体と乗降扉を、川重は前部・中部胴体と主脚格納部、貨物扉、圧力隔壁を担当。富士重工は中央翼と中央翼・主脚格納部結合、主脚扉、翼胴フェアリング(前部)を担当し、新明和が翼胴フェアリング(中・後部)、日本飛行機が主翼構成品をそれぞれ製造する。

◆材料メーカー、装備品メーカーも続々と受注
 機体メーカー以外でも、777X関連の受注が相次いでいる。東レは14年11月、777Xの主翼向けに炭素繊維を供給することで合意した。同社は中・大型機の「787」の主翼や胴体向けの供給も含め、炭素繊維の受注総額が1兆円を超えることになる。
機体内部に搭載する「装備品」メーカーのナブテスコも、米ボーイングから777X向けに、飛行中の姿勢を制御する部品「アクチュエーター」を受注。現行機種「777」に次ぐ受注で、受注した部品の種類は777の4種類から777Xでは8種類に拡大。今回の受注により、2020年代前半に航空機事業で売上高300億円を目指すという。
 このほか、内装品を手がけるジャムコも、「777X」向けにラバトリー(化粧室)の供給契約を結んでいる。

◆メーカー、設備投資ラッシュが起きるか
 777Xの関連部材を受注した企業は、来年以降に相次いで設備投資を実施するとみられる。すでに、中央翼(胴体下部にあり、主翼と胴体をつなげる部分)を受注した富士重工が、愛知県半田市の既存工場敷地内に100億円規模を投じ、新しい生産棟を立てると発表した。
日刊工業新聞の取材では、川崎重工も名古屋第一工場(愛知県弥富市)に777X向けの新しい生産棟を建設する方針を明らかにしている。三菱重工も広島工場に投資する方向だ。東レも、米サウスカロライナ州に予定する炭素繊維新工場について、15年にも着工し、17年に稼働を目指す。

日刊工業新聞2015年03月12日機械・ロボット・航空機面、01月23日素材・ヘルスケア・環境面などの記事を再編集

COMMENT

2000年代半ばには業界で「787」向けの設備投資ラッシュが起きました。今回も、それを彷彿とさせます。

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