ディスプレーを高精細・低消費電力化、『IGZO』超える新素材

コベルコ科研が開発した酸化物半導体用材料

 コベルコ科研(神戸市中央区、宮脇新也社長、078・272・5915)は、液晶ディスプレーに使われる酸化物半導体「IGZO」の2―3倍の電子移動度を実現した酸化物半導体用成膜材料を開発した。8Kテレビなど次世代の高精細大型フラットパネルディスプレー向けに最適で、量産体制を整えた。国内外のパネルメーカーへ提案を始めており、既に1社へ量産品として採用された。年間で15億円の売上高を目指す。

 開発した成膜材料「KOS―B03C」は、ディスプレー表示に用いる薄膜トランジスタ(TFT)を構成する層の中で、重要な電流を制御するスイッチング素子に使う。酸化物半導体を構成するインジウム・ガリウム・亜鉛の酸化物材料に、スズをブレンドするなどで特性を出した。

 同材料は、大型テレビで主流の銅配線やTFTでコスト優位性のある製造工程に適応し、生産の低コスト化にも貢献できるという。

 新材料は電子移動度が高いため、ユーザーに要求されるTFTの小型化によるディスプレーの高精細化や高開口率化、低消費電力化などが期待される。スマートフォンから大型テレビまで用途展開が可能だ。

 最先端の第11世代サイズ(約3メートル四方)の大型ガラス基板などにも対応する。同材料の価格は、個別対応する厚みや幅、長さなどによって違ってくる。

 同社は神戸製鋼所の子会社。材料や構造物の分析・試験・解析・試作や薄膜ターゲット材料の製造、半導体検査装置の設計などを手がける。

日刊工業新聞2019年2月1日掲載

梶原 洵子

梶原 洵子
02月02日
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有機ELディスプレーに対して、液晶ディスプレーの競争力を高めることになるのか気になります。

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