日本の高速道路が米国で稼ぐ。ワシントン・メトロから受注した業務とは?
NEXCO西日本、非破壊点検事業が好調
西日本高速道路(NEXCO西日本)の米国子会社が現地で行う非破壊点検事業の受注が伸びている。同社は「2018年度の米国売上高は前年度比倍増の約2億2000万円を見込む」(竹国一也技術本部長)とする。18年5月に受注した、ワシントン・メトロの地下鉄トンネル点検業務が大きな追い風だ。
ワシントン・メトロからの受注額は1億円強。点検業務は長さ約33・6キロメートルの地下鉄トンネルを赤外線カメラなどで撮影し、コンクリートのひび割れや漏水を検出する(写真)。集めたデータを整理し補修工事に役立つ画像の作成まで行う。トンネル調査で漏水箇所検出は同社初の取り組みだ。
米子会社は道路橋床版の非破壊点検を中核にしてきた。今後はダムやビルなど道路橋以外の構造物点検も拡充。また米国で得た点検ノウハウを日本でも活用していく。
(日刊工業新聞2019年1月22日掲載)
道路の点検技術は、日本でも鉄道へ応用範囲が広がりつつある。日本のインフラは耐用年数が近づいており、効率的な点検・補修技術へのニーズが高い。
東京急行電鉄と伊豆急行は19日、首都高速道路グループと道路構造物維持管理システム「インフラドクター」の鉄道への展開について共同開発を始めると発表した。移動計測車両(MMS)を鉄道台車に搭載して、9月から伊豆急線での実証実験に着手。年度内に東急線でも実証を計画する。
道路で培った技術を使い、鉄道設備保守・点検の効率化や予兆検知力の強化を狙う。
インフラドクターはレーザースキャンで得られる3次元点群データと地理情報システム(GIS)を連携して管理する。異常箇所の早期発見や構造物の3次元図面作成、点検補修データの一元管理が可能となり、トンネルなど構造物の点検や維持補修計画立案の効率が大幅に向上する。
(日刊工業新聞2018年9月20日掲載、内容は発表当時のもの)
西日本高速道路(NEXCO西日本)はJR西日本と、新幹線のトンネル覆工点検を効率化できる新しい検査システムを開発する。鉄道会社との共同開発は初めてという。NEXCO西日本が運用する道路トンネル覆工状況の確認技術「eQドクターT」をベースに改良することで、早期の実用化を目指す。
eQドクターTは、最大時速100キロメートルで走行する車両からトンネル内の覆工コンクリートの状態を撮影し、画像から自動的にひび割れを抽出する。最小0・2ミリメートル幅のひび割れを認識できる。高解像度画像を取得できるラインセンサーカメラと周辺からは視認できない赤外線照明を採用し、走行撮影する。
横断勾配の違いよる焦点や照明方式、点検速度や位置の制約、撮影機器の設置スペースなど、高速道路と新幹線の異なる特徴を踏まえて開発を進める。
(日刊工業新聞2017年12月6日掲載、内容は当時のもの)
ワシントン・メトロからの受注額は1億円強。点検業務は長さ約33・6キロメートルの地下鉄トンネルを赤外線カメラなどで撮影し、コンクリートのひび割れや漏水を検出する(写真)。集めたデータを整理し補修工事に役立つ画像の作成まで行う。トンネル調査で漏水箇所検出は同社初の取り組みだ。
米子会社は道路橋床版の非破壊点検を中核にしてきた。今後はダムやビルなど道路橋以外の構造物点検も拡充。また米国で得た点検ノウハウを日本でも活用していく。
(日刊工業新聞2019年1月22日掲載)
道路の点検技術は、日本でも鉄道へ応用範囲が広がりつつある。日本のインフラは耐用年数が近づいており、効率的な点検・補修技術へのニーズが高い。
東急は首都高グループと連携
東京急行電鉄と伊豆急行は19日、首都高速道路グループと道路構造物維持管理システム「インフラドクター」の鉄道への展開について共同開発を始めると発表した。移動計測車両(MMS)を鉄道台車に搭載して、9月から伊豆急線での実証実験に着手。年度内に東急線でも実証を計画する。
道路で培った技術を使い、鉄道設備保守・点検の効率化や予兆検知力の強化を狙う。
インフラドクターはレーザースキャンで得られる3次元点群データと地理情報システム(GIS)を連携して管理する。異常箇所の早期発見や構造物の3次元図面作成、点検補修データの一元管理が可能となり、トンネルなど構造物の点検や維持補修計画立案の効率が大幅に向上する。
(日刊工業新聞2018年9月20日掲載、内容は発表当時のもの)
NEXCO西日本とJR西日本
西日本高速道路(NEXCO西日本)はJR西日本と、新幹線のトンネル覆工点検を効率化できる新しい検査システムを開発する。鉄道会社との共同開発は初めてという。NEXCO西日本が運用する道路トンネル覆工状況の確認技術「eQドクターT」をベースに改良することで、早期の実用化を目指す。
eQドクターTは、最大時速100キロメートルで走行する車両からトンネル内の覆工コンクリートの状態を撮影し、画像から自動的にひび割れを抽出する。最小0・2ミリメートル幅のひび割れを認識できる。高解像度画像を取得できるラインセンサーカメラと周辺からは視認できない赤外線照明を採用し、走行撮影する。
横断勾配の違いよる焦点や照明方式、点検速度や位置の制約、撮影機器の設置スペースなど、高速道路と新幹線の異なる特徴を踏まえて開発を進める。
(日刊工業新聞2017年12月6日掲載、内容は当時のもの)
日刊工業新聞2019年1月22日掲載