透明で紫外線を99%遮蔽する農業向けフィルム、期待の用途は?

産総研と森林総研が開発、病害虫の阻止

 産業技術総合研究所と森林研究・整備機構森林総合研究所は、植物由来の高分子「リグニン」と粘土成分からなる農業向けフィルムを開発した。透明だが紫外線を99%遮蔽(しゃへい)し、水分は通過させる。紫外線に虫が集まる習性を利用して病害虫の進入を防げると期待される。

 植物と鉱物由来成分で構成され、使用後は土に混ぜ込んで処分できると見込まれる。植物から酵素を用いてリグニンを抽出する。強酸や強アルカリを使わないため、リグニンの紫外線吸収機能が壊れない。リグニンに粘土を混合すると鉱物の微細結晶片とリグニン高分子が混ざり合い、フィルムとして強度をもった膜ができる。

 紫外線遮蔽率は厚さ0・03ミリメートルで99%。面積1平方メートル当たり1日1100グラムの水蒸気を透過させる。引張試験の破断強度は480メガパスカル(メガは100万)で、透明ながら木肌色。リグニンは生分解性、粘土成分は土に戻ると期待される。今後、低コストの酵素処理を開発する。

日刊工業新聞2018年12月21日

  

ファシリテーター紹介

記者・ファシリテーターへのメッセージ

この記事に関するご意見、ご感想
情報などをお寄せください。