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夏のボーナス89万円、消費額はちょうど「10分の1」?

大手企業の夏ボ平均額(経団連調べ)過去3番目の水準。消費額は過去最高(明治安田生命アンケート)
 経団連が30日発表した今夏の賞与・一時金妥結(最終集計)によると、大企業の平均額は前年比で2・81%増の89万2138円となった。3年連続の増加で、過去3番目の高水準。企業業績の改善が、大企業のボーナス増加に反映された。

 製造業の平均額は同2・29%増の91万8542円で、08年以来の90万円超えとなった。非鉄金属やゴム、機械金属などがけん引した。一方、非製造業は2年ぶりに増加に転じ、平均額は同4・05%増の79万1498円。大企業では製造業を中心に、好調な業績改善分をボーナスとして再分配する動きが強まっており、3年連続の増加につながった。

消費意欲は高まってる?使い道は?


 夏の消費金額は過去最高の見通し―。明治安田生命保険が30日発表した「夏に関するアンケート」によると、夏休みに使うお金の平均金額は8万9296円と2014年より4405円増え、過去最高となった。平均金額の増加は3年連続となる。好業績を背景に夏のボーナスを増加する企業が増え、消費者側の消費意欲の高まりが反映されてきたようだ。

 家族別構成で見ても子供のいる既婚世帯も同10万485円と昨年から約16%増加し、調査開始以来、やはり過去最高となった。アンケートは15年7月1―6日にかけ、全国20―59歳の男女を対象にインターネットで調査を実施した。有効回答数は1113人だった。
日刊工業新聞2015年07月31日 4面&金融面
明豊
明豊 Ake Yutaka 取締役ブランドコミュニケーション担当
(7月9日付「産業春秋」より一部引用)隣の会社のボーナスはいくらか。慶弔見舞金はどれほど出しているのか―。だれしも興味があるだろう。ある企業が、そんな細かな調査を半年ごとに実施している。本業はアウトソーシングサービス。4600社の会員企業を対象に2013年度から調査を始めた。退職金制度の有無や資金の調達方法、経営者の資産管理方法、従業員の研修状況やその予算、給与計算の方法や税理士の顧問料など多岐にわたる。設問が毎回、異なるのも特徴だ。最新の調査では、手当に関してより詳細に尋ねる。手当の種類、家族手当の金額、住宅手当の対象者やその金額、出張手当の金額や支給方法など。調査対象の大半は中小企業。地域は全国に及び、業種も製造業やサービス業など幅広い。企業の生の声が伝わってくる貴重なデータに思える。こんな“生きた情報”を国や自治体が活用し、中小企業政策に反映させる仕組みはないものか。

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