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【今週のリケジョ】新材料を開発して世の中へ

住友化学 竹村美保さん
 住友化学の竹村美保さん(30)は生体認証に用いる有機光センサーの材料開発を担当する。育児休暇明けの4月からフルタイムで働いて、終業後に子どもを保育園へ迎えに行く毎日だ。研究者としての夢は入社以来変わらず、「自分が開発した新規材料を世の中へ出していきたい」と真っすぐ前を向く。

 東京大学大学院理学系研究科化学専攻を修了して2014年に入社しました。新規材料の開発に携わりたくて、いろんな分野に関われる総合化学メーカーを志望しました。数ある化学メーカーから住友化学を選んだのは、蚊帳の「オリセットネット」などから社会貢献のイメージが強く、その経営理念に共感したからです。

 入社以来、ディスプレーなどに使うバリアーフィルム開発を担当してきました。10月から現在の有機光センサー材料へ担当替えになりました。会社として力を入れている分野なので身が引き締まる思いです。今までと違う分野なので先輩の助けを借りながら新しいことに日々挑戦しています。

 研究者として今後は基礎開発から量産化、品質保証など製品化までの流れはいろいろと経験していきたい。子育てと両立しながら今自分にできるスキル向上として、実験などの開発業務と並行して、知的財産関係の業務も少しずつやらせてもらっています。有機光センサーは潜在的な市場規模が大きいと言われており、今後知財の仕事も増えてくるはずです。

 読書が趣味ですが、休みの日は2歳の息子と公園を散歩することが多いです。好きな水族館巡りも楽しみの一つです。

 幼稚園から高校までピアノを習っていたので、子どもの頃はピアノの先生になりたかった。母親としての夢は、いつか息子とピアノの連弾をしたいと思っています。

   

(文=鈴木岳志、写真=北山哲也)
日刊工業新聞2018年12月17日

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