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SDGs、知っている中小企業はわずか1割!

関東経産局が調査、大企業と浸透格差
 持続可能な開発目標(SDGs)を知っている中小企業が1割にとどまることが、関東経済産業局の調査で明らかになった。ビジネス機会を獲得しようとSDGsへの賛同を表明している大企業とは対照的に中小企業の認知度が低かった。中小企業対象の調査は初めてとみられ、産業界にSDGsを浸透させる課題が浮き彫りとなった。

 関東経産局は日本立地センターとともに10月上旬に管内11都県(関東8都県、新潟県、長野県、静岡県)の中小企業500社にインターネット形式でSDGsの認知度を調査した。所在地は東京都、神奈川県、埼玉県の順に多く、業種別の内訳では製造業15%、サービス業26%だった。

 「SDGsをまったく知らない」が421社(84%)に達した。大企業が参加する国連グローバル・コンパクト・ネットワーク・ジャパンの2017年の会員調査では、社内の認知度が「わからない」の回答が7%となっており、企業規模で認知度に差が出た。

 中小企業にSDGsを理解してもらった上で印象を尋ねると、「自社には関係ない」との回答が36%を占めた。また、資金や人的資源の不足が課題と感じている中小企業が目立った。SDGsの取り組みに費用負担はないが、誤解があるようだ。

 一方、今回の調査で「新規事業の立ち上げや新商品・サービス開発にSDGsを活用している」と、中小企業もSDGsの推進でビジネスメリットを得られるという回答があった。中小企業に広げるために、まずは地域単位の勉強会などを通じてSDGsを知る機会を増やす必要がありそうだ。

 

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日刊工業新聞2018年12月13日掲載
松木喬
松木喬 Matsuki Takashi 編集局第二産業部 編集委員
関東経産局の発表によると調査した中小500社の8割が、本業で社会課題解決に取り組み、企業の稼ぐ力も向上することが重要と考えている結果も出ました。8割がSDGsは知らなくても、ビジネスで課題を解決するSDGsの趣旨と共通する思いを持っていました。「やりたいことがSDGsですよ」。そんなプッシュが必要そうです。

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