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AIベンチャーの雄・プリファード、プロセッサも開発の狙い

2020年春、大規模クラスター稼働へ
AIベンチャーの雄・プリファード、プロセッサも開発の狙い

MN―コア(左)とMN―コア搭載ボード

 プリファードネットワークス(PFN、東京都千代田区、西川徹社長)は12日、深層学習に特化したプロセッサー「MN―コア」を開発したと発表した。2020年春、横浜市金沢区でサーバーを多数組み合わせた計算システム(大規模クラスター)「MN―3」を稼働させる。自動運転やロボット、医療分野の自社の研究開発を加速する狙い。

 開発したMN―コアは、半精度での演算能力が1ワット当たり1テラフロップス(テラは1兆、フロップスは浮動小数点演算性能)。消費電力当たりの演算能力は世界最高クラスを実現する見込み。足し算やかけ算という行列演算に特化し、不要な機能をなくした。MN―コアチップのピーク性能は半精度で524テラフロップス。消費電力は予測値で500ワット。

 チップを載せるボード、ボードを4枚ずつ搭載するサーバーも新たに設計した。大規模クラスター「MN―3」は順次拡張する計画。最大でサーバー1000台超、演算速度2エクサフロップス(エクサは100京)への拡大を目指す。

 計算用ハードウエアの開発はPFNにとって初めて。MN―3の稼働以降、画像処理半導体(GPU)との組み合わせにより、さらに効率的な計算環境の構築を図る。

日刊工業新聞2018年12月13日掲載
梶原洵子
梶原洵子 Kajiwara Junko 編集局第二産業部 記者
発表内容はもちろんですが、西川社長が「学生時代に、自分でコンピュータをつくるのは楽しそうと思い、いつかやりたいと思っていた」と本当に楽しそうに語っていたのが印象的でした。周りが驚くようなことに、軽やかに飛び込んでいる印象があります。2020年に稼働するクラスターは、自社の研究開発で一杯になりそうだとのこと。ファナックなど大手企業との研究にも取り組んでいます。このままでは演算能力が足りないため、計算用ハードウエアも手がけたようです。

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