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どうなる?再生エネ発電、東北電力も事業者に出力抑制準備呼びかけ

電力需給バランス調整で、2019年1月から
 東北電力は7日、太陽光や風力、火力・バイオマス発電事業者に対し、電力需給バランス調整のために送電を一時停止する出力制御に向けた準備要請を2019年1月から始めると発表した。実際に出力制御を実施するのは20年以降となる見通し。対象となる事業者に制度説明や、事業者と東北電力の設備をつなぐ遠隔制御装置の設置などを個別に呼びかけ、必要時に円滑に出力制御に移行したい考え。

 管内では、再生エネの固定価格買い取り制度(FIT)開始以降連系量が増加。同社の試算によると、18年度の太陽光・風力の合計出力は最大でエリア需要の54%だが、電力需要が比較的小さく発電量の多い19年5月ごろには65%にまで達する見込みとなっている。

 現時点では火力発電設備の抑制や、揚水発電の揚水運転、東京や北海道との地域間連系線の活用などで調整している。ただ、接続契約申し込み済みの設備量を考慮すると今後も連系量は増加するとみられ、いずれは供給力が需要を上回って大規模停電が起こる危険性もあると判断した。

 今回対象になる発電設備数は約1万2600件で、対象事業者には個別に通知する。なお、10キロワット未満の家庭用太陽光発電設備は出力制御の対象としない。 

 出力制御は九州電力がすでに数回実施した他、沖縄電力や四国電力、中国電力でも準備を呼びかけている。

日刊工業新聞電子版2018年12月8日
梶原洵子
梶原洵子 Kajiwara Junko 編集局第二産業部 記者
10月に九州電力が出力抑制を実施して以来、他の電力会社にも出力抑制の準備が進んでいるとのこと。電力価格の変動など他のメカニズムを使った需給バランスの改善など、出力抑制以外の対策も期待されます。

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