「ティア2になりたい!」電子部品業界の異端児、太陽誘電が熱心に開拓する技術

「0201」で培った表面処理加工でモジュールメーカーの地位を確立できるか

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綿貫英治太陽誘電社長
 ティア2(2次サプライヤー)になりたい―。太陽誘電が中長期的な成長戦略で目指すのは、モジュールメーカーとしての地位を確立すること。自動車の電子化をはじめ完成品の高機能化が急速に進展していることを背景に、部品メーカーにはセットメーカーの開発の一部を肩代わりできるようなソリューション力が求められているからだ。

 「食品機械の内部にコーティングすれば、菌が付着せず、製品の差別化につながる」。”部品屋“からセットメーカーの強力なパートナーへと脱皮するため太陽誘電の技術営業(FAE)が今最も積極的に提案するのが、世界最小の積層セラミックコンデンサー「0201」をはじめとする超小型部品の製造で培った表面処理膜の形成技術だ。この技術はセラミックス系の材料を製品の表面にナノメートル(ナノは10億分の1)オーダーで薄膜加工し、用途に応じて強力に水や油をはじいたり、なじませたりできる。

 【サファイア超え】
 光の反射や腐食防止といった特性を簡単に付加できるほか、一度加工すれば表面の硬さはダイヤモンドに次ぐサファイアを上回り、フッ素のように途中ではがれることなく長く使える。もともとは子会社が開発し、部品製造工程でメタルマスクへのハンダ付着防止用として利用してきた技術だ。だが、成長戦略を描く上で、どの業界の製品にも適応できる汎用性の高さに着目。2年ほど前から受託加工事業を開始した。

 食品機械や医療用カテーテル、プラントメーカーなど商談リストには、これまでほとんど取引のなかった企業が並ぶ。表面処理加工技術をてこに新規分野の顧客開拓に成功しつつある。「まずこうした新しい顧客に我々の技術を知ってもらい、モジュールメーカーへの成長の足がかりにしていく」(梅沢一也執行役員)というのがシナリオだ。

 【新技術創出カギ】
 太陽誘電には表面処理加工技術のほか、世界で初めて開発した光記録メディア「CD―R」の技術を応用した変位センサーや可視光通信モジュールといった複数の技術シーズ(種)を備える。これに続く新しい技術を生み出していけるか。研究開発に投資を続け、太陽誘電だからこそできる武器をいくつも持つことが将来の試金石となる。

 ※日刊工業新聞で「太陽誘電−次代を照らす」を連載中

日刊工業新聞2015年07月31日 電機・電子部品・情報・通信面

COMMENT

明豊
執行役員 DX担当
デジタルメディア局長

村田製作所やTDKなどとならびスマホ用部品で世界シェア上位の太陽誘電が、非スマホ事業の拡大に動き出している。組織見直しや他社との提携により、この3年間で非スマホの売上高は約5倍になった。自動車や産業機器業界は電子部品メーカーが持つ技術への期待は高いが、新市場を狙うのは競合他社も同じ。戦略の軸がぶれてすべてが中途半端になるのが一番こわい。

キーワード
太陽誘電

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