中国減速!専門家がズバリ「マクロ指標に惑わされるな。企業は各論が大事に」

津上工作室・津上代表「成長率が2―3%台に減速してでも痛みに耐えるべき」

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津上工作室代表取締役・津上俊哉氏
 不安定な中国株式市場と中国経済の行方をどう読めばよいか。元通商産業省(現経済産業省)北東アジア課長で、中国経済評論家・コンサルタントとして活躍する津上工作室(東京都中央区)代表取締役の津上俊哉氏に話を聞いた。
 
 ―4000台まで戻した上海総合指数が、再び3000台後半まで下げました。
 「4000台でも(1年前の2000台と比べると)歴史的には高い水準だ。中国政府による株価対策が縮小するとみた投資家が、4000台で含み益のあるうちに売ろうと判断したのだろう。中国の株式市場は企業業績に下支えされた力強いマーケットではない。(政府の介入縮小など)少しの臆測だけで、すぐ取り乱す」

 ―株価下落の中国経済への影響は。
 「中国の株取引をよく見ると、口座数の3分の2は資産規模が10万元(約200万円)以下と少ない。これら零細口座が経済に与えるマグニチュードは大きくない。騒いでいるほど庶民には影響ないだろう。むしろ株価下落で一番損をするのは時価総額の3分の2を占める1億元(約20億円)以上の口座保有者だ。口座数の0・03%しか占めず、実態は国有企業の大株主である中国共産党だ」

 ―中国の経済成長率は7%から6%台に減速するとの予測があります。先行きをどう見通しますか。
 「個人的には2―3%台に減速してでも、痛みに耐えるべきだと思う。中国は昨年来、成長率より構造改革を優先する”新常態“(ニューノーマル)を声高に叫んできたが、4月以降、この声が薄れてきた。需要のない地方に高速鉄道を敷設するなど、かつての日本のような景気を下支えするためだけの公共投資を増やしている。これは中長期的に問題がある」

 ―中国の経済減速に日本企業はどう対応すべきですか。
 「企業はマクロ指標ではなく、各論が大事だ。市場に合致した付加価値の高い製品が売れている場合、現場責任者がいけると判断したなら、経営者はその声を信じるべきだ。撤退する場合でも、自社の収益ならあと何年稼げるか、ぎりぎりのラインまで見極めるのが企業人の仕事だ。マクロ指標に惑わされてはいけない」
 (聞き手=大城麻木乃)

日刊工業新聞2015年07月31日深層断面から抜粋

COMMENT

明豊
執行役員 DX担当
デジタルメディア局長

業種間によってもかなりバラツキがある。事業撤退や縮小の判断は難しいが、現地法人がいかに正確な情報と予見を日本のマネジメントを伝えるか。日本側もそれを精査し、外部も含めあらゆる情報を収集すべきだろう。

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