米中貿易摩擦下も…機械大手が中国で生産拡大へ

ヤマザキマザックは日本への輸出増加

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ブラザーは西安工場の生産能力を4割高める
**牧野フライス、放電加工機新工場
 牧野フライス製作所は中国・上海近郊の生産拠点(崑山市)内に新工場を建てる。自動車の金型や部品などを製造する放電加工機の月産能力を2021年度に現在比4倍の180台に増やす。中国市場は踊り場感が漂うが、同社は得意の精密加工向けの好調が続く。中長期でも電気自動車(EV)や航空機、スマートフォン(スマホ)向けの拡大を予想する。シンガポールからの生産移管を進めながら内需を取り込む。

 牧野フライスは中国で中国国内向け放電加工機の一部を生産してきた。金属線を使って加工するワイヤ放電加工機や、電極の形状を転写する形彫り放電加工機のアジア主力機種を中国の新工場にまとめる。中国にワイヤ型「Uシリーズ」を全面移管し、形彫り型「EDAFシリーズ」を部分移管する。

 新工場の投資額は約40億円。延べ床面積は約2万5000平方メートルを予定する。生産体制に加え、営業やアフターサービスを強化する。顧客の実際の設計データを使って試加工する施設や、IoT(モノのインターネット)サービスを提供する施設も新設する。

 機械業界は、米中貿易摩擦の制裁関税を理由に北米向けの生産移管が進む一方、中国の内需拡大を見越した拡大投資が続きそうだ。
(日刊工業新聞2018年11月21日掲載)

ブラザー工業やヤマザキマザック、生産・輸出拡大


 工作機械大手が中国で生産能力の増強や輸出の拡大に取り組む。ブラザー工業は2019年11月以降に西安市の工場で生産ラインを増強し、生産能力を4割高める。足元の中国での受注は低迷しているが、中長期的には回復すると見込む。ヤマザキマザックは大連市の工場の日本への輸出量を19年にも2倍に増やす。日本市場が好調で、国内生産だけでは需要に供給が追いついていない状態を改善する。生産拠点、輸出拠点の双方での中国工場の重要性が高まっている。

 ブラザーは生産子会社「兄弟機械(西安)」(西安工場)で、現地向けに小型マシニングセンター(MC)の主要3機種を生産する。工場内に分散する倉庫機能を19年11月完成の倉庫に集約し、空いたスペースを順次生産ラインに転換する。投資額は非公表。

 同社は中国では主要顧客の電子機器製造受託サービス(EMS)向けが落ち込む。だが、同じく主要顧客の自動車向けを中心に中長期の需要は伸びると見て、西安工場の生産能力を高める。

 ヤマザキマザックは生産子会社「山崎馬扎克机床(遼寧)」(遼寧工場)で生産する小型数値制御(NC)旋盤の日本への輸出量を月20台に倍増する。中小製造業を中心に受注が好調な上、国内での生産増強が難しいため、9月に輸出を始めた。

 供給難を解消し、納期を短縮するため、輸出倍増を決めた。13年稼働の遼寧工場は、生産増強で月産能力を16年比5割増に高めた。

 日本工作機械工業会(日工会)によると9月の工作機械受注実績(確報値)では、中国が前年同月比22・0%減の189億円で7カ月連続の前年割れ。日本は同5・6%増の644億円で、20カ月連続で前年を上回った。
(日刊工業新聞2018年11月5日掲載)

ヤマザキマザックは遼寧工場の旋盤の輸出台数を2倍に増やす

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