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80年後にCO2ゼロ-鉄連が長距離砲の目標、その評価は?

2100年までに世界全体でゼロ
 日本鉄鋼連盟は19日、鉄鋼業の二酸化炭素(CO2)排出量を2100年までに世界全体でゼロにする目標を打ち出した。既存の省エネルギー化技術の普及拡大や、開発中の低炭素化技術の実用化に加え、新たに水素還元製鉄などの次世代技術の開発に挑戦し、21世紀半ば以降の実用化を目指す。併せて原子力発電や再生可能エネルギーを活用し、カーボンフリーの水素を安価で大量供給する仕組みの構築など、次世代技術の社会実装に必要な環境整備を求めた。

 地球温暖化防止の枠組みとして16年11月に発効した国際条約(パリ協定)を踏まえて鉄連が策定した「低炭素社会実行計画フェーズ2」の目標年次となる30年以降の地球温暖化対策として同日発表した長期展望で、2100年の脱炭素化を目標に掲げた。

 鉄連が2100年までを想定して行った長期試算によると、すでに実用化されている先端的な省エネ技術の普及や、高炉による水素還元製鉄など現在開発中の低炭素化技術の実用化だけでは、世界のCO2排出総量を減らすのは難しい。これを踏まえ、高炉を用いない水素還元製鉄やCO2回収・貯留などの次世代技術の開発に挑戦する方針を表明。併せてこれらの社会実装に向けて水素の安定供給源や、CO2の埋設場所を確保するなどの社会的な環境整備を急ぐよう提唱した。
日刊工業新聞 2018年11月20日
松木喬
松木喬 Matsuki Takashi 編集局第二産業部 編集委員
このニュースをどう評価したら良いのでしょうか?私は迷います。今世紀後半に脱炭素しようというのが「パリ協定」です。2050-100年までと幅はあるにしろ、日本の鉄鋼業界は最後の最後に脱炭素するということでしょうか?電炉という選択肢はないのでしょうか? 電炉はスクラップ鉄を溶かして鉄製品を生産します。高炉から電炉への転換が進むと国内で鉄が循環利用されるようになります。温暖化側面だと、石炭(高炉の燃料)使用が抑えられCO2が減ります。電炉なら再生エネ電気100%での操業も技術的に見通せ、「2100年脱炭素」に矛盾しません。 一方で現在電炉と高炉では生産した製品には違いがあるので、電炉で多様な製品を生産する技術革新にも期待したいです。

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