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コンサート手中に、フレンチテック企業の高級スピーカーの実力

仏デビアレ「ファントム リアクター」
 仏デビアレは22日、小型サイズでコンサート会場の臨場感を再現できる高級スピーカーの新製品「ファントム リアクター=写真」の日本販売を始めた。同社の独自開発したアンプ技術をはじめ、音響技術を集大成させた。音域は耳ではなく体で感じる18ヘルツから超高音の21キロヘルツ。最大出力900ワットと600ワットの2モデルで展開し、消費税込みの価格は600ワットタイプが15万9000円。

 両手に収まるサイズ(219ミリ×157ミリ×168ミリメートル)で、交響楽団の最大音量での演奏に匹敵する音量で再生することができる。900ワットタイプの最大音量は98デシベル。

 品質を保ちながら従来モデルの4分の1に小型化し、同社は「日本の家庭にフィットする」と日本販売に自信を示した。デザインや生産など全てをフランスで行う。音楽に合わせ、左右のウーファーの震える動きも特徴的だ。

音楽に合わせて震える左右の丸いウーファーは見ていて飽きない。
日刊工業新聞 2018年11月23日
梶原洵子
梶原洵子 Kajiwara Junko 編集局第二産業部 記者
新モデルには100人の技術者が開発に取り組み、約50件の特許を取得したとのこと。このうち11件はデザインを実現するため特許。既存モデルのファントムプレミアムで取得した特許を合計すると、約160件にのぼります。 生産面では、新モデルは既存モデルを高密度化して小型化したため、既存モデルと同じ工場では生産できず、専用に新しい工場を建てました。「自動化によって生産を実現できた」そうです。人の手ではできない精密な組み立てなのかもしれません。パリから数十キロメートル離れている工場のある町には、かつてナポレオンがいたそうです。 デビアレの人は製品について話しだすと止まらない様子で、製品への深い愛情を感じました。 実際に聴くと、歌手の息づかいまで聴こえ、かなり近くで歌っているようでした。仮想の映像空間に没入できるVRヘッドマウントディスプレーは認知度が上がったように、高品質なスピーカーでの音のVRも広まるとおもしろいです。

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