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“5S”推進で生産性向上へ、企業の若手社員と大学生が手を組んだ

三幸機械と前橋国際大、次世代のリーダー教育にも役立てる
“5S”推進で生産性向上へ、企業の若手社員と大学生が手を組んだ

石井社長(左)自ら学生に生産現場の状況を説明

 三幸機械(群馬県高崎市、石井健介社長、027・347・2229)は、共愛学園前橋国際大学と共同で5S(整理、整頓、清掃、清潔、しつけ)活動に乗り出した。外部の視点や意見を取り入れることで活動をより活発化させ、生産性向上につなげるのが目的。まずは少人数での活動を通じて手法を確立し、社内全体にさまざまな成果を浸透させることも狙っている。

 三幸機械は大型マシニングセンター(MC)などによる各種機械加工や製缶加工を手がけている。得意とするのは、ロケットや液晶板製造装置などの大物部品の精密加工だ。

 生産性向上の取り組みを本格化したのは約2年前。これまでは3S(整理、整頓、清掃)活動を行ってきたが、「徹底されてきたとは言い難く、新しい発想が必要だと考えた」(石井社長)と振り返る。

 そこで着目したのが従業員に刺激を与えられる外部の視点や意見を取り入れること。生産性向上を目的とするコンサルティング活動を多くの企業で行ってきた共愛学園前橋国際大学の神宮貴子専任講師に協力を仰いだ。

 神宮専任講師のゼミ生4人を迎えるとともに、若手を中心とする同社の従業員9人を選抜。産学協同で5S活動を推し進める計画だ。具体的な活動内容を決めた上で月2回程度の頻度で従業員と学生が集まり、半年から1年間かけて活動に協力して取り組んでいく。

 経営システム工学を学んでいるとはいえ、就業経験がない学生にとっても現場の実情を肌で感じるメリットは大きい。神宮専任講師は「お互いに教え合うことによって良い活動になる」と指摘する。

 石井社長が「生産性向上につながる手法を作り上げ、他の従業員にも教えてほしい」と期待するように、同社にとって今回の活動は次世代のリーダー教育も兼ねている。2019年春に完成を予定する新工場にも成果を反映させていく考えで、会社全体の改革に向けた第一歩となりそうだ。 
(文=群馬支局長・古谷一樹)
日刊工業新聞2018年11月8日

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