スマホのサクサク動作 窓ガラスが黒子役に

ドコモ・AGCがガラスアンテナ開発

NTTドコモとAGCは7日、ビルの窓を携帯電話の基地局にする技術を開発したと発表した。既存の窓ガラスの室内側にガラス製のアンテナを貼り、基地局の機能を付加する。建物の屋上や壁面に基地局を設置する現行方法と比べ、街の景観を損ねずに済む。主流の通信方式であるLTEの基地局向けに、2019年春から運用を始める。将来は第5世代通信(5G)に対応したガラスアンテナの開発も検討する。

ガラスアンテナは透明なアンテナ部材を、2枚のガラス板で挟み込んだ構造をなす。窓ガラスを通過する際の電波の減衰や反射を抑える技術を採用した。大きさは縦210ミリ×横700ミリ×総厚7ミリメートル。重量は1・9キログラム。AGCの国内工場で生産する。

都市部では接続品質や通信速度を改善するため、建物の屋上や中低層階の壁面に小型の基地局を多数設置し、通信量を分散させる対策が進む。同日都内で会見したNTTドコモの小林宏ネットワーク本部無線アクセスネットワーク部長は「ガラスアンテナの開発で景観を損ねずにエリア拡大できる」と語った。

日刊工業新聞2018年11月8日

武田 則秋

武田 則秋
11月08日
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 周囲を固定された窓ガラスに別のガラスを付けると、日差しなどの熱による膨張・収縮で「熱割れ」を起こす。ガラス内部に蓄えられる応力の分布を制御するなどガラス構造を事前シミュレーションすることで、これを解決したという。日本では電柱が景観を損ねると言われているが、基地局・アンテナも数が増えると都市の景観や建築物のデザインを損ねることが指摘されていた。その解決策となりそうだ。

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