量よりも性能。世界最高に挑むLGの太陽電池

新技術を導入、320Wを量産へ

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LGの太陽電池セル
 韓国LGエレクトロニクスは高出力太陽光パネルを日本市場に投入する。7月から出荷を開始し、2016年3月ごろには単結晶シリコン製として世界最高レベルの出力の320ワットのパネルを投入する。狭い設置場所や低い買い取り価格でも売電収入を得ようと発電量を重視する新規事業者に高出力パネルを提案する。住宅用の新パネルの開発も検討しており、高効率が売りの日本メーカーとも競合しそうだ。

 LGのパネルは6インチ角の太陽電池セルを60枚組み合わせたサイズ(1・6×1メートル)。7月から日本の太陽光発電所向けに305―310ワットの出荷を開始。10月には315ワットを投入し、16年3月ごろには世界最高レベルの出力の320ワットを発売する。

 6インチセル60枚構成のパネルは海外メーカーの標準的なサイズ。同じサイズで出力が高ければ、パネル1枚でより多く発電できる。LGと同じ単結晶製で同サイズの他社製パネルは出力260―280ワットが多い。LGはこれまでも最大305ワットのパネルを日本市場で販売してきた。

 新パネルはセル表面にある配線(バスバー)を極細にし、従来の3本から12本に増設した。バスバーは発生した電子を集めて取り出す電極。増設によってバスバー1本に集中する電子を減らし、抵抗を抑えてスムーズに電流を流して高出力化した。

 48枚構成と54枚構成のパネルの開発も進めている。ともに日本で住宅用に売り出す計画。日本勢でもっとも高効率なパナソニックの住宅用パネルは250ワット。LGは48枚を250ワット規模にする見込みで、住宅用途でも競合しそうだ。LGの生産能力は年83万キロワットで、世界では中堅の太陽電池メーカー。

【参考】
メーカー     出力(セル・パネルサイズ) 変換効率(モジュール、%)
サンパワー(米) 327(5インチ・96枚) 20・1
LGエレ(韓国) 320(6インチ・60枚) 19・5
パナソニック   290(5インチ・88枚) 18・8

日刊工業新聞2015年07月28日 建設・エネルギー・生活面に加筆

COMMENT

松木喬
編集局第二産業部
編集委員

海外メーカーは新しい技術を次々に取り入れています。記事にある「バスバー」をセル表面から裏面に移した米サンパワーが量産ベースでもっとも発電性能の高い太陽光パネルメーカーです。バスバーのないとセルは表面すべてで受光できるので発電量が増えます。逆にバスバーを増やしたのがLG。配線が増えると工数も増えてコストアップになりますが、半導体技術でクリアしたようです。LGは世界最高に迫るパネルを生産しますが、生産規模は中堅。サンパワー、パナソニックも生産規模、シェアとも中堅です。世界の太陽電池業界は量を追うメーカー、性能を追うメーカーへと二極化が始まったかもしれません。

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