岐阜の中堅企業が航空機MRO世界大手と合弁設立へ

航空機用の座席を製造、シンガポールに新会社

  • 0
  • 0
天龍HDが手掛ける旅客機用座席(中型機のファーストクラス用)
 天龍ホールディングス(岐阜県各務原市、福西紀雄社長、058・382・4111)は、航空機の整備・修理(MRO)世界最大手のシンガポール・テクノロジーズ・エアロスペース(STエアロ)と、旅客機用座席の設計・製造を行う合弁企業をシンガポールに設立する方針だ。

 新会社の資本金は2980万シンガポールドル(約26億円)で、STエアロが90%、天龍HDが10%出資する。天龍HDは傘下企業で航空機やバス用の座席を手がけており、航空機の内装品を強化したいSTエアロと方向性が一致した。

 新会社は「STエアロスペース・エアクラフト・シーツ」。STエアロの関係者によれば2015年半ばまでに新会社を設立する。STエアロの既存工場内に1万5000平方メートルのスペースを割いて座席の設計や製造を開始し、将来的には試験場も整備する方向だ。

 STエアロは防衛産業大手のシンガポール・テクノロジーズ・エンジニアリング(STエンジニアリング)の子会社で、14年12月期売上高は約1810億円。航空機の機体やエンジン、内装品のMROが主力で、世界の主要航空会社や軍などに顧客を持つ。欧米や東南アジア地域にも拠点がある。同社はMROに続く新事業開拓の一環として、旅客機用の座席製造への参入を目指しており、12年から天龍HD傘下の天龍エアロコンポーネント(岐阜県各務原市)と座席の共同開発に入っていた。共同開発が佳境に入ったことを受け、今後は新会社を設立して受注活動や量産品の開発を強化する。

 天龍HDは09年、旧天龍工業がバス・鉄道車両用座席、航空機部品、複合素材の3事業を分社化するのに伴って設立された持ち株会社。グループ全体の13年度の売上高は159億円程度とみられる。14年からは日本航空(JAL)向けに中型機のファーストクラス用座席を供給している。天龍の担当者は「コメントできない」としている。

2015年03月27日 機械・ロボット・航空機

COMMENT

シンガポールの大手企業と岐阜の中小企業が手を組み、航空機の座席を製造するというニュースです。マニアックな記事ですが、天龍HDはバス用座席で高いシェアを誇るモノづくり企業。座席を含め、航空機の装備品は付加価値が高く、「おいしい分野」として参入熱が高まっています。

関連する記事はこちら

特集