アジアの有力ベンチャー企業が勢ぞろい!優勝はニュージーランド企業

アジア・アントレプレナーシップ・アワード2018

 アジアを中心に13カ国から選出された技術系ベンチャー企業のビジネスコンテスト「アジア・アントレプレナーシップ・アワード2018」(AEA2018)が、柏の葉キャンパス(千葉県柏市)で開催された。期間は10月31日-11月2日の3日間。7年目の今回は、初めて参加要件を設定。人工知能(AI)やIoT、メディカル、ヘルスケアの分野に携わるベンチャー企業20社が参加し、日本からは4社が参加した。

 審査基準は“事業の革新性および経済的・社会的影響力”や“事業の実行力”などの他、今回から新たに“日本の大手企業との連携の可能性”が追加された。参加企業はメンターからのアドバイスを受けた後セミファイナルでプレゼンテーションを披露し、中国、インド、日本、ニュージーランド、ロシア、韓国の企業計6社が最終審査に駒を進めた。

社会課題にそれぞれのアプローチ


 激戦を勝ち抜き優勝したのは、ニュージーランドの「IMAGR」。サーバーに接続した買い物カゴと顧客のクレジットカード情報をひも付けて、レジに並ばなくても決済が可能な仕組みを確立した。

 センサーなどを活用した独自の技術でカゴに入れた商品をその場で認識するため、「RFIDタグ」を活用したウォークスルー決済と比べて比較的低いコストで導入できる。

 海外展開の第1弾として、レジの人手不足などの課題を抱えている日本の小売店舗への導入を目指し、すでに大手の商社や小売業者、情報通信事業者とミーティングを重ねている。

 準優勝はロシアの「Brain Beat」。光センサーを活用した非侵襲型の血糖値測定器を開発した。従来の機器の多くは血液採取が必要な侵襲型で、消耗品である部材のコストがかさむだけでなく感染症などの危険性もある。

 同社が開発したのは、指先を入れて使用する小型の測定器。皮膚表面のメラニンや水分のデータから血糖値を測定する技術を確立した。

 スマートフォンなどのデバイスにデータを送ることも可能。現在はより簡単に計測できるブレスレット型の機器の標準化に向けて、改良を進めている。

 第3位は、日本から唯一最終審査に進んだ「Girasol Energy」。太陽光発電(PV)で使用する発電パネルにセンサーを搭載し、発電量の変化からパネルの異常を即時的に把握する。

 大規模なPV発電所では、専門性の高さやパネル数の多さなどから保守点検に膨大な時間がかかる。同社はセンサーから得た情報を遠隔地から一元的に管理する仕組みを確立し、点検が必要なパネルの特定時間の短縮を実現した。

 データ収集については既に特許を取得しており、さらに2つの技術について特許獲得に向けて動いている。保守作業のコストを70%削減し、発電効率も高めることで、持続可能な発電方法としてのPV投資へのメリットを高める。同社は特別賞の「柏の葉賞」も同時に受賞した。
日本のGirasol Energyは3位に輝いた


ニュースイッチオリジナル

国広 伽奈子

国広 伽奈子
11月02日
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優勝したIMAGER社は、聴講者の投票によって決める「オーディエンス賞」でもトップに輝きました。レジの行列にうんざりする気持ちは万国共通のようです。

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