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携帯料金の“過酷な運命”―まず来年4月に最初の・・

 スマートフォンの契約手続きで店舗を訪れた。かなりの混雑で、店員は対応に悪戦苦闘していた。気の短い客なら「もたもたするな」と怒り出していたかもしれない。

 その理由は、とにかく料金メニューの改変が激しいため。次々と新サービスが始まるので新人では覚えきれないと、旧知の業界関係者が嘆いていた。実際に目の前の若い店員も、店長らしき人に何度もアドバイスを受けながら対応してくれた。

 客商売なら当たり前との指摘もあろうが、携帯電話の世界は技術以外も“秒進分歩”の速さ。1年後に、もっと有利なメニューが出てきても不思議はない。ベテランになっても、いたちごっこの勉強が続く。

 しかし、こうした携帯ショップには、さらに“過酷な運命”が待っている。2016年4月に電力小売り自由化が始まると、間違いなく提携した電力会社とのセット割引が入ってくる。契約時には電気料金の徴収方法まで説明しなければならない。そろそろメニューの概要も固まったのではないか。

 それだけじゃないんだよ、17年にはガスの自由化が始まるから、その割引もメニューに入ってくるかもしれないよ―。必死に説明する店員を気の毒に思いつつ、心の中でそうつぶやいた。
日刊工業新聞2015年07月22日1面
明豊
明豊 Ake Yutaka 取締役デジタルメディア事業担当
接客ペッパーに全部覚えてもらおう。

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