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Preferred Networks、ユカイ工学…暮らしに寄り添うロボット始まる

CEATEC JAPAN 2018
Preferred Networks、ユカイ工学…暮らしに寄り添うロボット始まる

Preferred Networksの全自動お片付けロボットシステム

 16日に幕張メッセ(千葉市美浜区)で開幕した「CEATEC JAPAN(シーテックジャパン)2018」では、人の暮らしに寄り添う多様なロボットが登場する。19日まで幕張で会えるロボットを紹介する。

お片付けロボの未来


 Preferred Networks(PFN、東京都千代田区)は、現在開発中のパーソナルロボットシステムの技術デモとして「全自動お片付けロボットシステム」を初公開した。靴下やスリッパ、オモチャ、文房具などが床中に散らばったリビングルームを再現したブース内で、2台のロボットが散らかった物を片付けながら動き回っている。ロボットはトヨタ自動車製を使い、PFNは頭脳を開発した。

 お片付けロボは、スリッパや修正液などを一つずつ認識し、「スリッパ置き場に置きますね」などと言いながら片付ける。声に出すのも実は重要なポイントだ。物を片付けるには、物を認識する目の機能だけでなく、人がロボットにしてほしいことを理解する耳の機能が重要になる。例えば、いつもと別の場所に片付けてほしい時、ロボットと会話して「それはこっちに置いて」と指示すれば、ロボットは意図を理解して片付ける。

 一般家庭にお片付けロボットが来ると、片付けが楽になる以上の変化が予想される。ロボットは部屋の中を動きながら、現実世界のさまざまな物の位置などをデジタルデータ化する。これは片付け以外にも使える。例えば、空調機器メーカーが保守点検や良い生活空間を保つためのアプリケーションを開発し、ロボットにインストールすれば、ロボは部屋のデータを生かして新しい仕事ができる。

 PFNは、ロボットメーカー以外がロボ用アプリを開発することを想定し、「2020年ぐらいに開発ツールを提供したい」(岡野原大輔副社長)という。

お片付けロボットが見ている世界。多様な物を認識している。

つい構いたくなるロボ


 ユカイ工学(東京都新宿区)は、次世代版コミュニケーションロボット「BOCCO emo(ボッコ エモ)」のデモ機を公開した。家族のコミュニケーションをサポートする現在のボッコの機能に加え、「自分から話しかけ、近づいたら反応してくれる」(青木俊介社長)ようになった。例えば、朝起きてボッコの前を通ると、「おはよう」や「ご飯食べた?」などと積極的に声をかけてくれる。ラジオ再生もできるようになった。

 目のライトを点滅させ、頭の上のアンテナをぶんぶんと振って、より豊かな感情表現ができる。また、オリジナルのあだ名を付けることができ、前よりもっと家族になる。青木社長は「これからもかわらしいロボットを作りたい。つい構いたくなるロボットが求められているのでは」と楽しそうに話していた。

女性に「大好きだよ」と言われると、ボッコ エモは照れたようにアンテナを傾けた。

農業の相棒


 日本総合研究所(東京都品川区)は、野菜や果物農家向けに開発中の多機能型農業ロボット「ドンキー」を公開した。スマートフォンのアプリケーションで追従開始を指示すると、正面に設置したステレオカメラで人を認識して追従する。

 デモンストレーションでは、ドンキーの上にかごを置き、なすびの収穫を再現した。ドンキーは、人が動いた後に一呼吸置いてから追従する。ロボットに急かされる感じのないくらいの速さ。「人がなすびを収穫してかごに入れるのにちょうどいい速さを設定している」(同社担当者)。

 このほかに、農薬のタンクを置いて散布を手伝ったり、自律移動モードで除草や鳥獣も見回りもできる。

人に追従して農作業を手助けするロボット「ドンキー」

脳活動でドローンを飛ばす?!


 東北大学の脳科学の知見と日立ハイテクロノジーズの脳計測技術を活用する共同出資会社のNeU(ニュー、東京都千代田区)は、ドローンで脳トレの新しい楽しみ方を提案している。同社の製品はマッチ箱サイズのデバイスで、近赤外光を使って脳の血流状態を測り、活発に活動しているかを見える化する。活発に活動していれば、ドローンはより高く飛ぶという仕組みだ。

 ドローン以外にも活動状態を見える化する方法はあるが、長谷川清社長は、「脳トレをする人は女性が多い。ドローンで、男性にも脳トレに興味を持ってほしい」と、ドローン活用の狙いを語る。シーテック会場では、来場者はカードに書かれた名詞から、関係のある動詞をできるだけたくさん考えて脳の活動を促す。

 同社の取締役には、脳トレブームの立役者の川島隆太東北大教授が名を連ね、技術やサービスの開発に取り組んでいる。

脳を活動させるとドローンが高く飛ぶ。デバイスはバンドで額に取り付けている。

ニュースイッチオリジナル
梶原洵子
梶原洵子 Kajiwara Junko 編集局第二産業部 記者
ロボットが人にとって身近な存在になっていきそうです。

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