「君の操縦技術は素晴らしい」油井宇宙飛行士の横顔
外から地球を見た10人の日本人。自衛隊出身で初めて
**油井さん、宇宙へ
宇宙航空研究開発機構(JAXA)の油井亀美也さん(45)ら日米露の宇宙飛行士3人を乗せたソユーズ宇宙船が23日6時2分(日本時間)、カザフスタンのバイコヌール宇宙基地から打ち上げられ、約9分後、軌道投入に成功した。宇宙船は11時45分に国際宇宙ステーション(ISS)へドッキングした。油井さんはISSに12月22日ごろまで約5カ月間滞在し、宇宙の謎の一つ「暗黒物質」の検出を目指す観測機器の設置などさまざまな科学実験に挑む。油井さんは航空自衛隊のテストパイロット出身。今回が初飛行で、日本人の宇宙飛行経験者は10人となった。
油井亀美也宇宙飛行士(45)が7月23日、宇宙へ飛び立った。航空自衛隊のテストパイロット出身で、日本人の宇宙飛行は1990年の秋山豊ひろさん(当時TBS職員)以来10人目。39歳で飛行士候補に選抜され、自ら「”中年の星“になりたい」と話していた。国際宇宙ステーション(ISS)搭乗クルーに決定後、厳しい訓練をこなしてきた。ソユーズ宇宙船とISSとのドッキング技術の練習の際には、教官から「君の操縦技術はすばらしい」と異例の高い評価も得た。
ISS滞在中は、発見されるとノーベル賞級とされる「暗黒物質」の検出実験に使う観測機器を設置する。また微小重力と、地上の1G(Gは重力加速度)の環境を宇宙で作り出し、世界で初めて宇宙でマウスを飼育する小動物実験にも携わるなどさまざまな科学実験に挑む。8月16日に打ち上げを予定する国産物資補給船「こうのとり」を待ち受け、軌道上でロボットアームを操作してISSにドッキングさせる大役も担う。
ISSの現行の運用期限は2020年までだが、米国がISS参加国に対し24年までの延長を提案、中核5極(米露日欧州カナダ)のうち、ロシアとカナダが延長に同意、日本も文部科学省が延長案を支持しており、24年まで延長する方向だ。ただ、厳しい財政事情を反映し、日本の宇宙関係予算の削減が進む中、日本はこれまでISSの建設などに、累計8000億円超を投じてきた。だが、目立った成果が見られず”費用対効果“を問われている。
一方で、若田光一宇宙飛行士が14年のISS滞在中、日本人宇宙飛行士として初めてISSの船長を務めるなど、日本の国際評価も高まっている。さらに最近の米ロケットの相次ぐ事故やロシア宇宙船のトラブルなどによって精緻な日本製ロケットや、「こうのとり」への信頼性も一段と増している。
宇宙航空研究開発機構(JAXA)の油井亀美也さん(45)ら日米露の宇宙飛行士3人を乗せたソユーズ宇宙船が23日6時2分(日本時間)、カザフスタンのバイコヌール宇宙基地から打ち上げられ、約9分後、軌道投入に成功した。宇宙船は11時45分に国際宇宙ステーション(ISS)へドッキングした。油井さんはISSに12月22日ごろまで約5カ月間滞在し、宇宙の謎の一つ「暗黒物質」の検出を目指す観測機器の設置などさまざまな科学実験に挑む。油井さんは航空自衛隊のテストパイロット出身。今回が初飛行で、日本人の宇宙飛行経験者は10人となった。
操縦技術に高い評価
油井亀美也宇宙飛行士(45)が7月23日、宇宙へ飛び立った。航空自衛隊のテストパイロット出身で、日本人の宇宙飛行は1990年の秋山豊ひろさん(当時TBS職員)以来10人目。39歳で飛行士候補に選抜され、自ら「”中年の星“になりたい」と話していた。国際宇宙ステーション(ISS)搭乗クルーに決定後、厳しい訓練をこなしてきた。ソユーズ宇宙船とISSとのドッキング技術の練習の際には、教官から「君の操縦技術はすばらしい」と異例の高い評価も得た。
ISS滞在中は、発見されるとノーベル賞級とされる「暗黒物質」の検出実験に使う観測機器を設置する。また微小重力と、地上の1G(Gは重力加速度)の環境を宇宙で作り出し、世界で初めて宇宙でマウスを飼育する小動物実験にも携わるなどさまざまな科学実験に挑む。8月16日に打ち上げを予定する国産物資補給船「こうのとり」を待ち受け、軌道上でロボットアームを操作してISSにドッキングさせる大役も担う。
日本製ロケットの信頼性高まる
ISSの現行の運用期限は2020年までだが、米国がISS参加国に対し24年までの延長を提案、中核5極(米露日欧州カナダ)のうち、ロシアとカナダが延長に同意、日本も文部科学省が延長案を支持しており、24年まで延長する方向だ。ただ、厳しい財政事情を反映し、日本の宇宙関係予算の削減が進む中、日本はこれまでISSの建設などに、累計8000億円超を投じてきた。だが、目立った成果が見られず”費用対効果“を問われている。
一方で、若田光一宇宙飛行士が14年のISS滞在中、日本人宇宙飛行士として初めてISSの船長を務めるなど、日本の国際評価も高まっている。さらに最近の米ロケットの相次ぐ事故やロシア宇宙船のトラブルなどによって精緻な日本製ロケットや、「こうのとり」への信頼性も一段と増している。
日刊工業新聞 2015年07月24日付1面&科学技術・大学面