ICTが変える化学品工場

デンカ、異常予兆診断システムを導入

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デンカの千葉工場スチレンモノマープラント(同社提供)。工場にICT導入を進める方針
 デンカは千葉工場(千葉県市原市)のスチレンモノマープラントに異常予兆診断システムを導入した。プラント内の温度や圧力などに関して、センサーで把握したリアルタイムのデータと、過去の正常時のデータを照らし合わせることで、異常の早期検知を目指す。同社は工場のICT(情報通信技術)導入を進める方針で、ビッグデータ(大量データ)やIoT(モノのインターネット)などを活用し生産性向上につなげる。

 日立ハイテクソリューションズ(東京都中央区)の予兆診断システム「BD―CUBE」を採用した。機器の故障やプロセスの異常について、微小な変化を捉え、重大な事象に発展する前に対策を取ることで、安全性を確保する狙いだ。

 千葉工場のスチレンモノマープラントは通常2年周期の定期修理を4年周期にする計画を進めている。軽微な異常を把握し、こまめに対策できる体制を整えることで、稼働率向上を目指す。

 現在は検知条件などを調整しており、1年以内の本格稼働を見込む。これまでは熟練のオペレーターらや警報による監視に頼っていた。

 デンカは2022年度までの中期経営計画で、生産プロセス改革を掲げている。ビッグデータやIoTなどを活用することで、業務の標準化や生産性向上を図り、高度な操業を実現する考え。

日刊工業新聞 2018年10月8日

COMMENT

梶原洵子
編集局第二産業部
記者

安全が絶対条件の化学品工場にとって設備の維持管理は非常に重要です。この会社ではありませんが、6~7年前に相次いで起きた化学品工場事故を覚えている人も多いと思います。その原因の一つと指摘されたのが、設備を知り尽くす団塊世代の従業員の退職。いわゆる2007年問題でした。高度な設備管理に加え、製造業の最上流にある化学品は厳しい価格競争に耐えなければいけません。それを両方解決できるのか、ICTへかけられた期待は大きいと思います。

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