今日発表のノーベル化学賞は有力候補目白押し

本庶さんに続け!

 ノーベル生理学医学賞の受賞決定から一夜明けて、京都大学高等研究院の本庶佑特別教授が2日、日刊工業新聞の取材に応じ、研究への思いをあらためて語った。また若手研究者が育つ環境づくりとして、自らの研究で得た収益を元に「若手研究者を支援するファンドを作りたい」と以前から温めていた構想を強調した。

本庶氏は受賞理由である、発見した分子「PD―1」の免疫を抑える働きを解明し、患者本来の免疫を生かす発想で、がん治療の応用へとこぎ着けた。膨大な情報から重要なポイントを見つける秘訣(ひけつ)を「自分の頭で本当に深く考えることだ」と力説する。

 3日は化学賞の発表。有機化学に加えて生化学や無機化学、分析化学など、生理学医学賞や物理学賞の2賞に比べ広い分野から選ばれる。17年に生体分子を計測するクライオ電子顕微鏡が選ばれたため、今年は有機化学や材料分野が有望だ。

 日本人からは光触媒を発明した藤嶋昭東京理科大学栄誉教授が有力候補だ。光のエネルギーを化学反応に利用した。光触媒は防汚コーティングなどとして実用化された。現在も人工光合成の実現を目指して、熾烈(しれつ)な開発競争が進んでいる。

 材料分野では企業出身の研究者の貢献が大きい。リチウム電池の原型を確立し、物理学賞の候補にも挙がる旭化成の吉野彰名誉フェローや、ネオジム磁石を開発した大同特殊鋼の佐川眞人顧問が候補。ともに自動車の電動化に不可欠な技術だ。

 電池大容量化は航続距離を伸ばし、磁石の力が増したためモーターで自動車を走らせられるようになった。ネオジム磁石は開発から30年以上世界最強の座に君臨している。

 他にも次世代太陽電池として注目されるペロブスカイト太陽電池を発明した宮坂力桐蔭横浜大学特任教授や、炭素材料のカーボンナノチューブ(CNT)を発見した飯島澄男名城大学終身教授・NEC特別主席研究員も有力候補として名前が挙がる。

日刊工業新聞2018年10月3日の記事に加筆

  

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