イコカに期待も、「昼特きっぷ」終了はサービス後退か?
私鉄との競争激しく、ライトユーザーはどう反応する?
1983年の発売以来、京阪神地区で多くの人に利用されたJR西日本の回数券タイプの企画乗車券「昼間特割きっぷ(昼特きっぷ)」が30日に販売を終える。代わりにJR西はICカード乗車券「ICOCA(イコカ)」の利用に応じた新たなポイントサービスを導入する。昼特きっぷに慣れ親しんだ人がイコカの新サービスを利用するかは未知数だ。ヘビーユーザーを厚遇するだけでなく、利用回数の多くないライトユーザーにも魅力あるサービスを望みたい。
昼特きっぷは平日10―17時、土日・祝日や年末年始は終日利用できる。6枚つづりで販売しており、有効期間は3カ月。1枚当たりの価格は京都―大阪間が350円で正規運賃の37・5%引き、大阪―三ノ宮・元町間が270円で同34・1%引きと高い割引率を特徴としている。
関西はJRと私鉄が並行する区間が多い。JRが「新快速」を走らせるなど速さを競う一方、価格競争も激しい。JR、私鉄ともに割引率の高いきっぷを充実させてきた。例えば阪急電鉄、阪神電鉄や京阪電鉄などは土曜・休日用の回数券を買うと10回分の価格で14回乗れる。
10月から始まるイコカの新サービスは乗車回数に応じてポイントがたまる。京阪神の特定の区間では平日昼間と土休日限定の「時間帯指定ポイント」もつく。このポイントは特定区間を1カ月間に4回以上利用した場合、4回目以降の利用1回ごとにその区間の運賃の30%または50%分がたまる仕組みだ。
私鉄と競合する京都―大阪間や大阪―三ノ宮・元町間は4回目からのポイント率が50%と高い設定だ。この仕組みでは乗れば乗るほど得をするものの、1カ月に数回しか利用しない人にはお得感が小さい。回数を数える期間も1カ月単位と短い。昼特きっぷより“サービス後退”とみるむきもあるだろう。
昼特きっぷの販売終了はある意味で冒険である。新サービスにお値打ち感がなく、使い勝手が悪ければ、利用者は私鉄に流れるからだ。イコカの新サービスが利用者にどれほどアピールするのか注視したい。
昼特きっぷは平日10―17時、土日・祝日や年末年始は終日利用できる。6枚つづりで販売しており、有効期間は3カ月。1枚当たりの価格は京都―大阪間が350円で正規運賃の37・5%引き、大阪―三ノ宮・元町間が270円で同34・1%引きと高い割引率を特徴としている。
関西はJRと私鉄が並行する区間が多い。JRが「新快速」を走らせるなど速さを競う一方、価格競争も激しい。JR、私鉄ともに割引率の高いきっぷを充実させてきた。例えば阪急電鉄、阪神電鉄や京阪電鉄などは土曜・休日用の回数券を買うと10回分の価格で14回乗れる。
10月から始まるイコカの新サービスは乗車回数に応じてポイントがたまる。京阪神の特定の区間では平日昼間と土休日限定の「時間帯指定ポイント」もつく。このポイントは特定区間を1カ月間に4回以上利用した場合、4回目以降の利用1回ごとにその区間の運賃の30%または50%分がたまる仕組みだ。
私鉄と競合する京都―大阪間や大阪―三ノ宮・元町間は4回目からのポイント率が50%と高い設定だ。この仕組みでは乗れば乗るほど得をするものの、1カ月に数回しか利用しない人にはお得感が小さい。回数を数える期間も1カ月単位と短い。昼特きっぷより“サービス後退”とみるむきもあるだろう。
昼特きっぷの販売終了はある意味で冒険である。新サービスにお値打ち感がなく、使い勝手が悪ければ、利用者は私鉄に流れるからだ。イコカの新サービスが利用者にどれほどアピールするのか注視したい。