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AIで世界の降雨状況を高精細予測

ウェザーニューズ、米エヌビディアと連携
 ウェザーニューズは米エヌビディアと連携し、AI(人工知能)で全世界の降雨状況を高精度に可視化、予測する技術を開発する。最新のディープラーニング(深層学習)技術を活用し、気象レーダーなどの気象観測網が未整備の地域で、仮想の雨雲レーダー画像を作れるようにする。大雨災害の多い発展途上国での被害低減につなげる。2019年3月をめどに、東南アジアでの実用化を目指す。

 日本などの高精度な気象衛星画像と雨雲レーダー画像を教師データとして使い、衛星画像をベースに仮想雨雲レーダー画像を作る。気象レーダーがない地域や海上でも、高精度な降雨の分布を把握できるようにする。

 エヌビディアのディープラーニングシステム「DGX―1」を使い、同社のスタートアップ支援プログラムに参画するデエイアイグノシス(東京都港区)がディープラーニング技術を開発する。

 現在、レーダーで降雨状況などを観測できる地域は地球上の約17%。地球全体をカバーするには、4000基が必要だという。DGX―1を50台使えば、レーダー設置の8000分の1程度のコストで、全世界の1分ごとのデータを仮想的に生成できる。
日刊工業新聞2018年9月25日
日刊工業新聞記者
日刊工業新聞記者
天気予報の重要な役割としては死傷者の最小化があると思う。より利用しやすくなって、対応地域が広まってほしい。

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