3億人以上の気管支ぜんそく患者に朗報―東大など、症状抑える新しい仕組み発見
東京大学医科学研究所の中江進准教授らは、発作的にせきや呼吸困難の症状を引き起こす「気管支ぜんそく」を抑える生体内の新しい仕組みを発見した。ダニなどのアレルギー物質に反応する免疫細胞「マスト細胞」が、免疫反応を抑える「制御性T細胞(Tレグ)」を増やし、気管支ぜんそくの症状を抑える作用があることを明らかにした。
さらにマスト細胞を利用し、体外で増やしたTレグをマウスに移植すると、気管支ぜんそくに似た症状の「気道炎症」を抑えられることを突き止めた。マスト細胞は気管支ぜんそくの症状を悪化させると考えられていたが、逆に症状を抑える働きを併せ持つことが明らかになった。疾患を抑える機能だけを発揮させれば、同疾患の新しい治療法につながる可能性がある。
国立成育医療研究センターとの共同研究。成果は22日、米科学誌イミュニティに掲載される。
気管支ぜんそくの治療はステロイドなどの吸入による対症療法が主流。だが完治せず長期間の継続投与が必要なため、完治を目指す治療法の開発が望まれている。
試験管内で、マスト細胞、免疫細胞であるT細胞、細胞間の情報伝達に関わるたんぱく質「インターロイキン(IL)―33」を混ぜ解析。IL―33がマスト細胞を刺激し、Tレグの増殖を促すたんぱく質「IL―2」を産生。その後IL―2がTレグを増やすことで、アレルギー疾患の抑制につながることが分かった。
さらにマスト細胞を利用し、体外で増やしたTレグをマウスに移植すると、気管支ぜんそくに似た症状の「気道炎症」を抑えられることを突き止めた。マスト細胞は気管支ぜんそくの症状を悪化させると考えられていたが、逆に症状を抑える働きを併せ持つことが明らかになった。疾患を抑える機能だけを発揮させれば、同疾患の新しい治療法につながる可能性がある。
国立成育医療研究センターとの共同研究。成果は22日、米科学誌イミュニティに掲載される。
気管支ぜんそくの治療はステロイドなどの吸入による対症療法が主流。だが完治せず長期間の継続投与が必要なため、完治を目指す治療法の開発が望まれている。
試験管内で、マスト細胞、免疫細胞であるT細胞、細胞間の情報伝達に関わるたんぱく質「インターロイキン(IL)―33」を混ぜ解析。IL―33がマスト細胞を刺激し、Tレグの増殖を促すたんぱく質「IL―2」を産生。その後IL―2がTレグを増やすことで、アレルギー疾患の抑制につながることが分かった。
日刊工業新聞2015年07月22日 科学技術・大学面