三菱電機など機械大手、米国向け製品の生産を中国から第3国へ

米中貿易摩擦を懸念

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ツガミは米国向け自動旋盤の最終生産地を当面、中国から日本にする(中国工場)
 機械業界で米国向け製品の生産を中国から第三国に変える動きが広がっている。ツガミは月内に、棒状の材料を加工する自動旋盤の最終生産地を中国から日本に改める。東芝機械は10月、樹脂部品を作る射出成形機の生産を日本とタイに振り分ける。三菱電機は金属の塊を加工する放電加工機と板材向けのレーザー加工機を日本に移管した。各社は一連の措置で米国が中国からの輸入に課した25%の制裁関税の影響を最小限にとどめる。

 中国の人件費の高騰や米中の保護貿易の色彩が強まる中、日本企業は中国での生産見直しを余儀なくされている。

 ツガミは同社最大の生産拠点である中国・上海近郊の中国工場(浙江省)から半完成品を長岡工場(新潟県長岡市)に持ち込み、最終の組み立てや調整を行い、日本から米国に輸出する。米州向け年間売上高は約30億円で、大半が中国生産機とみられる。中国の競合相手はタイや日本からの輸出が多いとみられ、ツガミは制裁関税分を製品価格に転嫁しにくいと判断したようだ。最終生産地を当面変更し、競争力を維持する。

 東芝機械は上海工場(上海市)から米国に輸出する射出成形機をタイ(ラヨーン県)と本社工場(静岡県沼津市)に生産移管する。対象は、現在も日本とタイで生産している型締め力50―350トンの全電動式と呼ばれる高付加価値製品。7月の制裁関税発動から、関税分を販売価格に反映させずにきている。健全な成長のためには、生産地の変更が必要だと判断した。

 三菱電機は中国・大連工場から名古屋製作所(名古屋市東区)に2製品の生産を変更した。放電加工機は米国販売の7割、レーザー加工機は3割を中国で生産していた。

(2018年9月11日)

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六笠友和
編集局経済部
編集委員

米中貿易摩擦への対応が相次ぐ一方、日米貿易摩擦への警戒も広がりつつある。今後は日本から米国への輸出戦略の見直しを迫られる可能性もある。

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