拡大する洋上風力、2枚翼も登場?!

住友商事はベルギーに参画

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グローカルなどが実証運転をはじめる風力発電の2枚翼の回転部
 グローカル(広島県呉市、奥原征一郎代表、0823・21・6660)は、自社が手がける2枚翼システムについて3年間で5基、将来は年間15基程度の受注を目指す。同社はエンジニアリング会社として参画し、北九州市沖合で今秋から始まる浮体式洋上風力発電システムの実証実験で、2枚翼システムが採用された。この実績を追い風に、今後建設が増加するとみられる洋上風力発電システムを中心に2枚翼を拡販する。

 風力発電のローター(回転部)は一般的に3枚翼が多い。グローカルが手がける風力発電は2枚翼構造。発電機などを格納するナセル部分が小型化でき、同一出力の場合、3枚翼より35―40%軽量化できる。台風など強風の影響を3分の1程度に軽減でき、メンテナンス性や製造コスト面でも優れるという。

 同社は当面、北九州市沖合での実証運転と並行し、引き合いのある5カ所の風力発電システムの受注を目指す。洋上着床式3基と陸上式2基で、いずれも2枚翼構造で最大出力は3000キロワットだ。

 同社では2枚翼と浮体式を組み合わせた「2枚翼浮体式」は将来の風力発電のコア技術と見ており、「普及すれば、固定価格買い取り制度(FIT)に頼らない発電コストも実現できる」(奥原代表)。

 今秋から始まる北九州沖合での実証試験は丸紅、日立造船、グローカルなどのグループが、新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)から受託。最大出力3000キロワットで水深50―100メートルに係留し、3年間の実証運転を予定する。実験に採用された2枚翼は、風車メーカーの独エアロダインとグローカルが共同製作した。

住友商事はベルギーで参画


 住友商事は27日、ベルギーの洋上風力発電事業「ノースウェスタ―2」に参画すると発表した。ベルギー大手小売りチェーンのコルホイトグループから、同事業の開発・建設などを手がける特別目的会社(SPC)の株式を30%取得した。出資金額は数十億円と見られる。総発電容量は約21万9000キロワット、総事業費は約900億円。2018年内に着工し、20年の完工を目指す。事業期間は25年。

 同事業はコルホイト傘下で洋上風力発電事業を手がけるパークウィンドと住友商事が、共同で進める。パークウィンドによるSPCへの出資比率は70%。両社によるベルギーでの洋上風力発電事業としては今回が4件目となる。住友商事は管理系の人材を数人同事業に派遣する。

 風力発電は、くい1本で風車を支えるモノパイル方式を採用。ベルギー沖約52キロメートル(水深約40メートル)の北海海域で開発を進めている。欧州は風車の大型化が進んでおり、運転開始時には世界最大の量産型風車となる発電容量9500キロワット、全高約190メートルの最新の風車23基を使用する。約21万世帯分に相当する電気を供給する。事業資金は非遡及型(ノンリコース)プロジェクトファイナンスを中心に調達。ベルギー政府による補助金制度も活用する。

(2018年8月28日)

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梶原洵子
編集局第二産業部
記者

洋上風力は欧州で設置が増えています。

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