トヨタは「トヨタ流」でモノづくりを進化させる!
見え始めた設計改革の効果。グループ外の調達先増える。
トヨタ自動車の設計改革「トヨタ・ニュー・グローバル・アーキテクチャー(TNGA)」の成果が具体化してきた。エンジンや変速機などのパワートレーンと、プラットフォーム(車台)を一新。生産改革も一体で進めており、工場の初期投資については2008年と比べ40%低減するめどがつきつつあるとした。部品のつなぎ方などの各種規格を世界標準に転換した結果、欧米サプライヤーなどトヨタグループ以外の調達先が増える効果も出ている。
TNGAは車の部位の基本構造をモジュールとして標準化し、これを組み合わせて車をつくる設計思想。ポイントは「グルーピング開発」で、モジュールごとに共用化する複数の車種を最初に決め、各車種に合う基本性能の高いモジュールを開発する。
これまでの個別車種開発では「トヨタの特殊設計で欧米サプライヤーが参入しにくかった」(加藤光久副社長)。TNGAでは世界標準に切り替えており、トヨタグループ外からの調達が広がるとみられる。
ユニットではこれまで個別で開発していたエンジンと変速機を一体開発し基本性能を高めた。新ユニットは燃費性能が従来比25%以上、動力性能が15%以上向上する。新エンジンは高効率な吸気ポートの設計やボア・ストロークの適正化により急速燃焼を実現。燃焼効率は世界最高水準の40%以上を達成する。変速機も低フリクション化などで、伝達効率を高めた。
新車台のボディー剛性は高張力鋼板(ハイテン材)の最適配置のほか、接合にレーザー溶接を用いて高めた。ユニットは従来より低い位置に搭載。クラストップの低重心化を図り「操縦性能で競合トップを目指す」(同)としている。
TNGAでは新しい部品や車両を生産するため新規設備投資が必要となる。このため生産改革も一体で進めている。15年は車両モデル切り替え時の設備投資額を08年比半減することを目指す。
08年のリーマン・ショック後に生産量の変化に追随できずに余剰能力を抱えてしまった反省を踏まえ、変種変量に迅速に対応できるシンプル・スリムなラインの開発を進めている。TNGA対応で設備投資額は一時的に増えるが、リーマン・ショック前の投資水準は下回る見通しだ。
基本的には天井からつったり、床面を掘ったりして設置していた大型設備は簡単に移動できる小型設備に切り替える。新組み立てラインは、週末の2日間でライン長を自在に変えられる。
塗装工程では長さを従来比20%減の149メートルに、高さを同35%減の6・5メートルに短縮した新ラインを4月に堤工場(愛知県豊田市)で稼働する。一定だったスプレーパターンを部位ごとに切り替えて効率を上げ、ロボット設置台数を2台と半減。投資額は同40%削減する。
牟田弘文専務役員は「これが完璧な工程とは思っていない。常に次を考え、日々改善をしていかないと(競合に)勝てない」と進化させる考えを強調した。
TNGAは車の部位の基本構造をモジュールとして標準化し、これを組み合わせて車をつくる設計思想。ポイントは「グルーピング開発」で、モジュールごとに共用化する複数の車種を最初に決め、各車種に合う基本性能の高いモジュールを開発する。
これまでの個別車種開発では「トヨタの特殊設計で欧米サプライヤーが参入しにくかった」(加藤光久副社長)。TNGAでは世界標準に切り替えており、トヨタグループ外からの調達が広がるとみられる。
ユニットではこれまで個別で開発していたエンジンと変速機を一体開発し基本性能を高めた。新ユニットは燃費性能が従来比25%以上、動力性能が15%以上向上する。新エンジンは高効率な吸気ポートの設計やボア・ストロークの適正化により急速燃焼を実現。燃焼効率は世界最高水準の40%以上を達成する。変速機も低フリクション化などで、伝達効率を高めた。
新車台のボディー剛性は高張力鋼板(ハイテン材)の最適配置のほか、接合にレーザー溶接を用いて高めた。ユニットは従来より低い位置に搭載。クラストップの低重心化を図り「操縦性能で競合トップを目指す」(同)としている。
TNGAでは新しい部品や車両を生産するため新規設備投資が必要となる。このため生産改革も一体で進めている。15年は車両モデル切り替え時の設備投資額を08年比半減することを目指す。
08年のリーマン・ショック後に生産量の変化に追随できずに余剰能力を抱えてしまった反省を踏まえ、変種変量に迅速に対応できるシンプル・スリムなラインの開発を進めている。TNGA対応で設備投資額は一時的に増えるが、リーマン・ショック前の投資水準は下回る見通しだ。
基本的には天井からつったり、床面を掘ったりして設置していた大型設備は簡単に移動できる小型設備に切り替える。新組み立てラインは、週末の2日間でライン長を自在に変えられる。
塗装工程では長さを従来比20%減の149メートルに、高さを同35%減の6・5メートルに短縮した新ラインを4月に堤工場(愛知県豊田市)で稼働する。一定だったスプレーパターンを部位ごとに切り替えて効率を上げ、ロボット設置台数を2台と半減。投資額は同40%削減する。
牟田弘文専務役員は「これが完璧な工程とは思っていない。常に次を考え、日々改善をしていかないと(競合に)勝てない」と進化させる考えを強調した。
日刊工業新聞2015年3月27日自動車面