塗装が強みの中小製造業、LPガス導入で成長を加速

ユニオン電装(岐阜県中津川市)

 岐阜県中津川市。木曽川を臨む坂下という町に塗装を強みに成長を続ける企業がある。プレス加工から塗装・組み立てまでの一貫生産体制を持ち、換気扇のシステム部材などを製造するユニオン電装だ。塗装設備は創立7年目の1973年に塗装工場を建設して以来、順次増強してきた。現在は地域最大級の5ラインまで拡大した。顧客の好みの色に調合して塗装できる体制を整え、多様化する需要に応えている。

省エネ化を推進


 そんな同社は2014年に就任した川上哲也社長の下、社内の省エネルギー化を推進してきた。光熱費や燃料費を抑制するためだ。同年には専門機関が事業所の現状を調査し、省エネ対策を助言する「CO2削減ポテンシャル診断」を受け、この助言を基に照明のLED化や空調の交換などを実施した。そして最後に残った省エネ施策が灯油ボイラーの更新だった。

ユニオン電装が製造する換気扇のシステム部材

 システム部材の製造工程ではまず、板金をプレス加工し、塗装前にホコリや油を取り除き、塗装の密着性を高めるため化成被膜を施す前処理を行う。その上でブタンガスを燃料とする乾燥炉で乾燥させて塗装する。塗装後にもう一度乾燥させるという流れだ。


 灯油ボイラーは塗装前処理の熱源として20年間使っていた。既に老朽化しており、更新は急務だった。その上で「CO2削減ポテンシャル診断」ではその燃料を灯油からプロパンガスに切り替えることで燃料費が削減できるという助言を受けた。また、当時はブタンガスに比べてプロパンガスの単価は20円程度安価だった。このため、乾燥炉の燃料をプロパンガスに転換することで燃料費を一層削減できる見通しがあった。

塗装前処理後のシステム部材

地元企業を信頼


 こうしたことから燃料転換を決め、3トンバルクタンクを敷地内に新設し、ボイラーと乾燥炉の燃料をLPガスに一本化する計画をまとめた。16年8月にボイラーを更新し、17年3月には乾燥炉の燃料をガスに転換した。投資額は1300万円にも上ったが、燃料費の削減により、約5年で回収できる見込みだ。川上社長は「燃料転換により燃料費が大幅に削減できた。本当に助かった」と喜ぶ。燃料を一本化したことで管理も楽になったという。

ユニオン電装の川上社長

 燃料転換にあたってはガス供給会社の選定に頭を悩ませたが、地元の宮内石油店と卸元のヤマモトエナジーのチームに決めた。ブタンガスの供給元で30年以上の付き合いがあり、小さなトラブルが発生した際にもすぐに駆けつけてくれる信頼があったからだ。

 もちろん大きな投資になるため、大手2社に設備費用や燃料費の見積りを依頼した。その中には設備費用でヤマモトエナジーより安価な提案もあった。それでも宮内とヤマモトエナジーに決めた理由について、燃料転換を推進した西尾真取締役は「地域の発展なくして我々の発展はない。コストが大きく変わらなければ地元の企業に依頼することが会社の総意だった」と振り返る。

働き方改革も


 一方、川上社長は省エネ化ともうひとつ施策を推進してきた。働き方改革だ。残業時間の抑制や有給休暇の取得奨励などに取り組んだ。その結果、ことし3月には若者の雇用管理の状況などが優良な中小企業について厚生労働省が認定する「ユースエール認定企業」に中津川市では初めて選ばれた。

 こうした改革の成果に加えて好景気の追い風も受け、川上社長の就任以来、同社の売上高は2割程度伸びたという。ただ、改革に終わりはない。川上社長は「生産性をさらに高めて会社をもっと成長させたい」と意気込む。その上で「(会社の成長によって)LPガスの使用量は増えるだろう」と見通す。燃料転換による燃料費削減の効果はますます発揮されそうだ。

プレス加工から組み立て・梱包までの一貫生産体制を持つ工場

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LPガスへの燃料転換のご案内
http://www.j-lpgas.gr.jp/nenten/index.html

LPガスへの燃料転換事例や削減効果シミュレーションプログラム等を掲載しており
ます。
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