反転攻勢へ、みずほFG社長「まず国内リテールの構造改革」
みずほFG・坂井辰史社長インタビュー
みずほフィナンシャルグループ(FG)が反転攻勢に出る。昨年打ち出した構造改革を軸に、10年先を見据えた事業基盤の構築を進める。金融業界がパラダイムシフトに直面する中、みずほFGが描く成長軌道とは。4月に就任した坂井辰史社長に聞いた。
―足元の収益をどう見ていますか。
「2018年4―6月期決算の当期利益が通期予想に対し28%の進捗(しんちょく)となり、まずまずの出足となった。ただ政策保有株式などの売却益によるところも大きく、実質的な収益力を表す連結業務純益は25%に達していない。顧客部門の非金利収支などに改善が見られるので、この流れをさらに強力なものにする」
―来期開始の新中期経営計画の方向性は。
「10年後のあるべき姿に向けた第一歩となる。まずは国内リテール分野の構造改革だ。みずほ銀行では過去10年で有人店舗への来店者数は約3割減少。半面、スマートフォンなどの顧客は2・5倍に増えている。この中で単に人や店舗を減らすのではなく、顧客ニーズの変化に応じて経営資源を再配分することが不可欠となる」
―個人金融資産が長らく滞留しています。
「日本では個人金融資産の半分以上が銀行預金で、過去20年間の平均リターンは1%にも満たない。多くの個人金融資産がある銀行、資産運用のプロである証券、少子高齢化の中で顕在化する相続に明るい信託など、グループ機能を結集し個人金融資産の活性化につなげる。銀信証を一体化した共同店舗は30カ所以上あるが、今後かなり増やしていく」
―現金自動預払機(ATM)の共通化に対するスタンスは。
「相互開放はすでにイオン銀行と実施済み。当社のATM網は全国約7000カ所と、広範で利便性の高いチャンネルを構築している。従って(他メガバンクとの)共同利用の必要性はそんなに感じない。キャッシュレス決済を増やすことで顧客ニーズが変化し、結果としてATMが不要になる。そういう動きを作り出したい」
―勘定系システムの移行を進めています。あらためてその意義は。
「顧客には大変なご迷惑をおかけするが、次期システムで利便性は大幅に高まる。一連の構造改革はシステム移行をやり切ることで、初めて先が見えてくる。歴史的な巨大プロジェクトは、従業員一人ひとりが新しい時代に向かって情熱を持ち、各自の持ち場で創意工夫ができるよう促すという意味でも非常に重要だ」
―足元の収益をどう見ていますか。
「2018年4―6月期決算の当期利益が通期予想に対し28%の進捗(しんちょく)となり、まずまずの出足となった。ただ政策保有株式などの売却益によるところも大きく、実質的な収益力を表す連結業務純益は25%に達していない。顧客部門の非金利収支などに改善が見られるので、この流れをさらに強力なものにする」
―来期開始の新中期経営計画の方向性は。
「10年後のあるべき姿に向けた第一歩となる。まずは国内リテール分野の構造改革だ。みずほ銀行では過去10年で有人店舗への来店者数は約3割減少。半面、スマートフォンなどの顧客は2・5倍に増えている。この中で単に人や店舗を減らすのではなく、顧客ニーズの変化に応じて経営資源を再配分することが不可欠となる」
―個人金融資産が長らく滞留しています。
「日本では個人金融資産の半分以上が銀行預金で、過去20年間の平均リターンは1%にも満たない。多くの個人金融資産がある銀行、資産運用のプロである証券、少子高齢化の中で顕在化する相続に明るい信託など、グループ機能を結集し個人金融資産の活性化につなげる。銀信証を一体化した共同店舗は30カ所以上あるが、今後かなり増やしていく」
―現金自動預払機(ATM)の共通化に対するスタンスは。
「相互開放はすでにイオン銀行と実施済み。当社のATM網は全国約7000カ所と、広範で利便性の高いチャンネルを構築している。従って(他メガバンクとの)共同利用の必要性はそんなに感じない。キャッシュレス決済を増やすことで顧客ニーズが変化し、結果としてATMが不要になる。そういう動きを作り出したい」
―勘定系システムの移行を進めています。あらためてその意義は。
「顧客には大変なご迷惑をおかけするが、次期システムで利便性は大幅に高まる。一連の構造改革はシステム移行をやり切ることで、初めて先が見えてくる。歴史的な巨大プロジェクトは、従業員一人ひとりが新しい時代に向かって情熱を持ち、各自の持ち場で創意工夫ができるよう促すという意味でも非常に重要だ」
日刊工業新聞2018年8月24日