ブルートゥースが産業用途へ拡大、けん引する「メッシュ」とは?

スマートフォンなどの身近なデジタル機器で使われている近距離無線通信規格「ブルートゥース」の用途がビルや工場といった産業分野へと広がる見通しだ。けん引役は、多地点間を結ぶ大規模センサーネットワークを構築できる新規格「ブルートゥース・メッシュ」。標準化団体であるブルートゥースSIG(ワシントン州)によると、メッシュ対応のデバイスの出荷数は「2022年に52億台に達する」(ロリー・リー上席マネージャー)と予測する。

ブルートゥース・メッシュは仕様策定から1年が過ぎ、開発キットなども出そろったところ。用途は資産管理や追跡、ナビゲーションに加え、スマートビルディングやスマートホームなどと幅広い。

既にドイツのLEDVANCEの照明機器や中国アリババの人工知能(AI)スピーカーで採用されている。国内では協和エクシオの子会社であるWHERE(東京都千代田区)がメッシュ対応のビーコンを製品化している。

メッシュの仕様策定メンバーには日本勢のほか台湾、中国、韓国など200社以上が名を連ねており、対応製品は今後続々と登場する見通し。

ブルートゥースは周波数2・4ギガヘルツ帯の電波を使う。数メートルから数十メートル程度の近距離での簡易な情報のやりとりに便利だが、圏外になるとつながらず、利用に制限があった。新規格のメッシュ方式は数十から数千個のデバイスを用いたセンサーネットワークの構築が可能。デバイス間で中継(リレー)しながらメッセージをやりとりする「洪水型」と呼ぶマルチパス方式の通信が特徴となっている。

ビーコン(発信機)を複数配置することで、一つのルートが途切れても近くのデバイスがメッセージを受け取り、別のルートを確保できる。暗号化などの信頼性も高く、スマートファクトリー(つながる工場)で必須となる産業用IoT(モノのインターネット)での新展開が期待されている。

日刊工業新聞 記者

日刊工業新聞 記者
08月24日
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産業用IoTでは920メガヘルツ帯の省電力広域無線ネットワーク(LPWA)や2・4ギガヘルツ帯を利用する「ジグビー」など、複数の通信方式が群雄割拠している。ブルートゥースはこれまで個人向けが中心だったが、新規格によって産業用でも一躍脚光を浴びそうだ。(編集委員・斉藤実)

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