女性用恋愛シミュレーションゲームに没頭してしまうデータ分析力

NTTソルマーレのキーマンが語る「データを膨大に集めてもダメ。ヒット作品の“宝物”を掘り当てられるか」

 NTTソルマーレ(大阪市中央区)は、電子書籍の漫画版であるデジタルコミック配信サービスを2003年に始めたパイオニア。11年には第2の事業として、スマートフォンの女性用恋愛シミュレーションゲームに進出した。ゲームプレーの情報を収集・分析し、ゲームの改善に結びつけて、ユーザーの課金を増やそうとしている。

 恋愛ゲームは英語版が主力で、米国を中心に168カ国・地域で手がけている。日本ではボルテージとサイバードが市場を占めているため、初めからグローバルな英語圏に照準を定めた。

 村田晋一取締役は「日本のアニメが世界で好まれる環境も追い風に、米国で支持される自己主張が強いヒロインを設定した」と打ち明ける。こうした戦略が功を奏し、ゲームのダウンロード(DL)数は延べ1000万に上るという。

 ゲーム開発ではプロデューサー、作家、イラストレーター、デザイナーが同じフロアで協力する。DLは無料なので、ゲームはヒットするだけでなく課金収益も得て初めて事業として成り立つ。その手綱をさばくのが、プレー情報を収集・分析するシニアプロデューサー(SP)だ。

 例えば、ヒロインに着せる服や登場人物といった仕掛けが人気を呼び、課金が増えたかをリアルタイムのデータで解析。評価をゲームの修正へ迅速に反映させる。プロデューサーは作品への思い入れから主観的になりがちだが、SPが客観的に改善を助言する。

 村田取締役は「SPが全体最適の視点でゲームづくりを導く。ユーザーとゲームメーカーに相互利益の関係を築き、第2の事業に育てる」と意欲を示す。
 

NTTソルマーレ シニアプロデューサー・玉城勇二氏インタビュー


 ―スマホゲーム開発の醍醐味(だいごみ)は。
 「PDCA(計画、実行、評価、改善)のサイクルが早い。SPは評価の役割を担う。データを膨大に集めればよいのではない。何のデータを集め、数値が物語るヒット作品への“宝物”を掘り当てられるかが大切だ」

 ―評価の難しさは。
 「数百万のデータを取り扱う。ユーザーがいつ、どこで、どのようにゲームをDLしたかも分かる。しかし、『ブースト広告』と呼ぶ(インセンティブなどでDLを集中させる)手法で一時的にDL数のランキングが上がる場合もある。こうした“ノイズ”をいかに除き、ユーザーを増やす試みの結果を正しく評価できるか。日々、改善が必要になる」

 ―SPの素養となった経歴や抱負は。
 「NTT神戸支店の営業を振り出しに、顧客データから営業戦略を練る業務をしてきた経験が生きている。データ解析から何が読み取れるのか、どんな仮説を立てられるのか、評価技術を磨いていきたい」
 (文=田井茂)

日刊工業新聞2015年07月20日 電機・電子部品・情報・通信面

明 豊

明 豊
07月20日
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キリスト教の世界観では強い主体性で、女性が中心に立って動く。レディー・ガガのような。日本は弱い主体性を前提にしたエンタメ作品が多い。きゃりーぱみぱみゅとか。文化と宗教観をデータのパラメーターにどのように入れ込んでいるのか。

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