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揺れる東芝「今日21時に報告書公表」次期社長は調整難航

明日21日17時から田中社長が会見。利益の減額修正は1700億円を超える見通し
揺れる東芝「今日21時に報告書公表」次期社長は調整難航

田中社長は辞任を表明する見通し

 東芝は過去の決算で不適切な会計処理を行っていた問題について、第三者委員会の調査報告書(要約版)を20日21時に公表する。翌21日17時から田中久雄社長と前田恵造取締役代表執行役専務が会見を開き、問題の全容や原因、経営責任について説明する。

 第三者委員会は20日19時に報告書を提出する。不適切会計に伴う営業利益の減額修正は、1700億円超に膨らむ見込み。当時の経営陣が目標達成を幹部に強く迫ったことが、意図的な損失の先送りにつながったと判断。組織的な行為と認定する見通しだ。

 調査結果を踏まえ、当時社長だった佐々木則夫副会長や、田中久雄社長は引責辞任する方向だ。また営業利益のかさ増しはインフラや半導体、パソコン、テレビなど幅広い事業部門で判明していることから、取締役を刷新する見通し。

 新たな取締役は社外から大幅に採用し、コーポレートガバナンス(企業統治)を強化する。次期社長に関しては、不適切会計問題が事業全体に広がり、適任者が少ないことから、調整が難航している模様だ。グループ会社や親密先の企業から招聘(しょうへい)することも考えられる。

 今後、東芝は調査結果を踏まえて過年度の決算修正と2015年3月期決算を実施し、8月末までに有価証券報告書を提出する。また9月下旬をめどに臨時株主総会を開き、新役員を選び直す。
日刊工業新聞2015年07月20日 1面
明豊
明豊 Ake Yutaka 取締役デジタルメディア事業担当
「不適切な会計」という言葉がどのように変わるのか。第三者委員会、東芝、大手マスコミがそれぞれどう表現するのか。

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