転んだら起こしてね。弱いロボットだからこそできることがある

日本工業大、19年に介護施設で実証

 日本工業大学の中里裕一先進工学部ロボティクス学科教授らは、認知症高齢者向けのコミュニケーションロボットとして、クマ型ロボの3号機を開発した。2014年に開発した1号機が3キログラム、2号機が1・5キログラムの重量だったのに対し、3号機は600グラムと大幅に軽量化した。体力が落ちてロボットを重く感じる高齢者の声に配慮した。歩き方など細部を改良し、19年にも介護施設などで実証試験を始める。

 駆動モーターの数を2号機の5個から2個に減らすなどで軽量化した。モーターをなくした箇所を糸で動かすなど工夫している。クマのぬいぐるみは高齢者から見ると赤ちゃんと同じようなイメージで、自分の子育て時代を回想する若返り効果があるとしている。

 1号機は新生児の平均的な体重である3キログラムにした。大学祭などで披露したところ、高齢者や家族から「もっと軽い方が高齢者には抱きやすい」との声が多く寄せられ、軽量化したという。

 重心の高さなども改良を重ね、高めにすることで足を短くし、ユーモラスな歩き方になるよう工夫した。おじぎをしたり、簡単な言葉を話したりすることも可能で、高齢者への心理効果を検証中。

 転倒しても自分ですぐに立ち上がるのではなく、高齢者に支えてもらって立つようにすることなどで、高齢者に「自分の子どもを助けなければ」と思わせる設計も考えている。

 高齢者向けのコミュニケーションロボは、富士ソフトの「パルロ」などが介護施設で普及する。介助用ロボットに比べて事故や故障による心配が少なく、参入企業が増えると見られている。

(2018年8月3日)

梶原 洵子

梶原 洵子
08月08日
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見た目もちょっと頼りないところがいいですね。

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