生産性革命の一翼担う―製造業を支える「技術者派遣」メイテック

国分社長インタビュー「よりクリエーティブな成果を上げる能力が問われる」

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国分秀世社長
 「派遣エンジニア」としてキャリアを全うする世代が現れ始めた。技術者派遣最大手のメイテックでは1970年代の創業当時に入社した社員が定年期を迎えている。多様な働き方の「先駆者」であり、事業構造が激変する日本の製造業を支えてきた人材だ。
 そしていま―。IoT(モノのインターネット)などモノづくりの新たな革新が押し寄せる中、人的資源を通じて「生産性革命」の一翼をどう担うのか。国分秀世社長に聞いた。

 ―技術者派遣への認知は進みましたか。
 「労働市場において一定のプレゼンス(存在感)を確立できたと感じている。74年の創業時は技術者派遣という事業そのものが世に存在しない時代であったし、顧客企業にとっても『聖域』である開発部門に外部人材が入ることはタブーだった。だがバブル崩壊以降、日本企業の経営戦略は大きく変わった。自社にないリソースを活用しながら商品やサービスを開発することがもはや“当たり前”となり、活躍領域が着実に広がった。自分の得意分野を研さんし、生涯、モノづくりに携われることは技術者にとって幸せな生き方ではないか。エンジニアとして定年を迎える社員は14年は104人、今年も50人を数える」

 ―08年のリーマン・ショック後は「派遣」という働き方が社会的に問われました。
 「当社については、あの厳しい経営環境下で、社員の雇用を守ったことが、労働市場での地歩を盤石にする結果となった。確かに当時は(派遣契約が満了した社員の次の派遣先が見付からない)厳しい状況に直面したが、逆に中長期的な視点で技術研修に取り組み、景気回復期に備えたことが大きかった。安定した雇用とキャリアアップできる場が備わっている事実が証明されたのではないか」

 ―政府は成長戦略で「生産性革命」を掲げています。今後どんな人材が求められますか。
 「さまざまな開発現場で培ってきた技術やノウハウを、新たに生まれる革新的な製品やサービスに合わせ込み、よりクリエーティブな成果を上げる能力が問われるだろう。当社は常時1000社の製造業と取引があるが、技術の幅を一層広げてもらう観点からも多様な経験を積める場面をより多く用意することが重要になる」

 【記者の目/顧客企業、手放せない存在】
 メイテックでは定年の節目で派遣先企業との契約が継続されるとそのまま雇用延長となる。現在の最年長は66歳。電気系を専門とするこの技術者は顧客企業にとって手放せない存在とか。人口減が加速する日本にとって多様な雇用形態はもとより、年齢を重ねるなか培ってきた経験が発揮できる働き方は大きな意味を持つ。
(編集委員・神崎明子)

日刊工業新聞2015年7月17日総合4面

COMMENT

神崎明子
デジタルメディア局
編集委員

技術革新を人材面から下支えしてきた実績はもちろんのこと、エンジニアとしての豊富な経験を生かすことができる雇用形態であることを世の中にもっと発信できるといいのでは。不本意な人事ローテーションに組み込まれることなく生涯エンジニアとしての生き方を貫きたいと考える人は少なくないはずです。

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