福岡版IoT活用、イチゴ「あまおう」などの栽培支援に

1次産業の支援プロジェクト続々

 経済産業省がIoT(モノのインターネット)ビジネス創出を目的に「地方版IoT推進ラボ」を展開している。IoTの利活用による地域発イノベーションを促す取り組みで、地域活性化の新たな切り札の期待も高い。先進地区を巡り、その最前線を10回連載で紹介する。初回は福岡県。

 福岡県は地域の課題解決がIoT推進のテーマ。ラボではニーズの掘り起こしから事業化まで各段階を支援する。県庁には知事部局、教育庁、警察本部が参加した組織を設置した。課題を幅広く掘り起こすためだ。

 県がIoTを進める上での強みはモノづくりとソフトの両産業が集積すること。産学官組織の「福岡県ロボット・システム産業振興会議」とプログラミング言語「Ruby(ルビー)」の産学官組織「福岡県Ruby・コンテンツビジネス振興会議」は両会議とも会員数が700を超える。

 関連製品やサービスを開発する産業の層が中小企業から大企業まで厚い中でも県は、中小企業の参加を特に進めたい考え。ユーザー側にも高価な大手の製品より導入コストを抑えられる中小企業の製品のニーズがある。

 開発や試験など具体的プロジェクトでは1次産業関連が多い。県産ブランドなど高付加価値品の栽培や生産へのIoT導入は、ブランド価値の維持向上につながる。

 茶畑向けシステムでは防霜ファンの故障や劣化の検知に取り組む。高級玉露茶「八女伝統本玉露」の生産システムのプロジェクトは茶葉の栽培環境や茶芽の生育データを集めて茶葉の品質との関係の人工知能(AI)解析を目指す。

 イチゴ「あまおう」などの栽培支援システムはビニールハウス内の環境などのデータをAIで解析。栽培に適した環境や必要な作業をリアルタイムで確認する。

 乾ノリ生産支援システムは、加工中のノリの表面温度や、加工機内外の温度や湿度を測定。生ノリの色や光沢、落札単価のデータも加え、最適な加工条件をリアルタイムで確認する。

 県が国の支援がなければ難しかったとするのは大規模展示会への出展。専門家派遣でも国の支援を生かす。

(2018年7月18日 地域経済面)

日刊工業新聞 記者

日刊工業新聞 記者
07月22日
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 福岡県は2018年度、交流イベント「IoTビジネスフォーラム福岡」と県内ITベンダーの現場ニーズ把握会を計画している。担当者は「いかにマッチングするかが行政の役割」と意気込んでいる。(西部・関広樹)

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