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気がかりは新国立競技場?

ラグビーワールドカップ2019組織委員会がキックオフミーティング
気がかりは新国立競技場?

開催自治体代表者や関係者ら約200人が初めて一堂に会した

 ラグビーワールドカップ2019組織委員会(東京都港区)は15日、ラグビーワールドカップ2019キックオフミーティングを都内で開いた(写真)。3月2日に開催都市決定後、開催自治体代表者や関係者ら約200人が初めて一堂に会した。

 冒頭、組織委の御手洗冨士夫会長(キヤノン会長兼社長CEO)は「ラグビーワールドカップ2019日本大会は、アジアで初めて行われる大会で意義深い。成功に向けて努力していきたい」とあいさつ。日本ラグビーフットボール協会の岡村正会長(東芝相談役)は「本大会が日本の国際化の大きな礎となり、東京オリンピック・パラリンピックにつなげられるような立派な大会にしたい」と語った。

新国立競技場問題で安藤氏会見「国際公約としてはザハさんを外すわけには…」


 2020年東京オリンピック・パラリンピック大会の主会場となる新国立競技場の総工費が2520億円に膨らんだ問題について、デザイン選考時の審査委員長だった建築家の安藤忠雄氏が16日、東京都内で会見を開いた。安藤氏は「(現行の)ザハ・ハディド案を選んだ責任はある。ただ、私たちが頼まれたのはデザイン案選定まで。(なぜ)2520億円になったのか、私も聞きたい」と困惑した表情で語った。

 総工費の膨張が問題になって以降、安藤氏が公の場で発言するのは初めて。
 政府が競技場の見直しを検討すると報じられていることについて、「日本ならできる。基本設計を担当する4社の設計事務所でやっていけると期待している」と述べた。

 その上で「国際公約としてはザハさんを外すわけにはいかない。日本の国際的信用もなくなってしまう。一国民としては、できればザハさんの案を残してもらいたい」とも語り、基本設計の部分で調整が必要だとの考えを示した。
 
 
 【与党、見直し論相次ぐ】
 総工費の膨張が問題となっている新国立競技場建設計画をめぐり、自民、公明両党で16日、現行計画の見直しを求める意見が相次いだ。政府は世論や与党内の批判を受け、計画を変更する方針を固めているが、菅義偉官房長官は同日の記者会見で「現時点で具体的な見直しは決定していない」と言及を避けた。

 自民党若手を中心とする有志議員約70人は同日午前、衆院議員会館に建築の専門家を招いて勉強会を開催。計画に対し「せっかくの五輪が競技場のことだけで止まっている」「経費を圧縮すべきだ」などと異論が噴出した。専門家からも「巨大アーチをなくして普通の構造にすれば(予定の工期に)間に合う」との見解が示された。

 自民党は17日にも文部科学部会などの合同会議でこの問題を議論する方針。勉強会を主催した小林史明衆院議員は「部会でしっかり意見を伝えて、安倍晋三首相に決断していただける状況をつくっていく」と語った。

 公明党の漆原良夫中央幹事会長は会見で「今の説明では国民が誰も納得しない。『国際公約』だからとか『間に合わない』だけで従来のまま推し進めることは許されない」と指摘。「経緯を検証し、責任はどこにあるか明確にし、今後どうするか検討しないといけない」と述べた。

 これに対し、菅長官は会見で「現行(計画)の中で、国民への説明が十分でなかった点もあるし、国民負担ができる限り生じないように、さまざまな工夫を行っていく必要があるだろう」と述べるにとどめた。

  【国民の声聞く−安倍首相】
 安倍晋三首相は16日、2020年東京オリンピック・パラリンピックのメーン会場となる新国立競技場の計画見直しに関し、「国民の皆さまの声に耳を傾けながら、五輪・パラリンピックが成功するよう万全の準備を進めたい」と述べた。首相官邸で記者団の質問に答えた。
日刊工業新聞2015年07月16日 総合2面
斉藤陽一
斉藤陽一 Saito Yoichi 編集局第一産業部 デスク
招致資料で示されている2019年大会のスケジュールは9月6日開幕、10月20日決勝。開幕戦と決勝戦は新国立競技場での開催を予定していましたが、一連の建設問題で計画に暗雲が立ちこめてきました。

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