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【拡大写真あり】クモのようなロボットが風車を点検

風力発電の保守コスト低減、8月からレンタルサービス
【拡大写真あり】クモのようなロボットが風車を点検

風車のブレード前縁部に張り付いて点検(弘前大提供)

 弘前大学の竹囲(たけい)年延助教とクラフトワークス(東京都大田区)、豊田通商、東京都立産業技術研究センターは、風力発電機のブレードを点検するロボットを開発した。人間の点検員が高所作業をする必要がなくなる。1―2週間かかっていた風車の停止期間を1日に短縮でき保守コストを抑えられる。レンタル方式の事業化を想定。8月から豊田通商がサービスを始める。

 風力発電機の上からロープを垂らすと、点検ロボがウインチでロープを上ってブレードに取り付く仕組み。ブレード1枚当たり20分程度で点検できる。

 人間の点検員が高所作業車やロープワークでブレードに接近する必要がなく、高所作業などの資格者がいなくても点検できる。人間が作業する場合は雨風のない日を待つ必要があり、高所作業車は周辺に鉄板を敷くなど点検のために風車を止める期間が長かった。

 点検に当たり風車の点検対象のブレードを下にして、ロープを沿うように垂らす。点検ロボットは3対のアームでブレードの縁をつかみ、ロープを伝って上下に移動する。ブレードが風を切る前縁部に取り付いて損傷状況を撮影する。導通試験用アームも搭載し、ブレード表面に50ボルトの電圧をかけて落雷用アースが断線していないか確認する。

 発電機の停止期間が短縮し、資格者がいなくても作業できるため点検頻度を増やせる。今後、点検ロボのコーティング機能を開発する。こまめに点検して損傷予防のコーティングを施すことで深刻な損傷を防ぎ、風車の発電効率を高めていく。

導通試験の様子(弘前大提供)


東京都立産業技術研究センター関連ページ
(2018年7月6日ロボット面)
梶原洵子
梶原洵子 Kajiwara Junko 編集局第二産業部 記者
風力発電は、とても風の強い場所に設置されているため、人間の作業員による点検は大変だったと思います。東京都立産業技術研究センターの関連ページから、サイズ感などを確認できます。

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